お仕事日録

身体の小さかったロナちゃん、母猫の元に旅立ちました。

ハチワレのお顔が可愛い雌猫のロナちゃんが旅立ちました。

 

 

8年前、お父様がお勤めの会社に迷い猫がやってきて4匹の仔猫を産み落としました。迷い猫は会社の優しい雰囲気に安堵したのでしょうか「どうかこの子たちをお願い」と言わんばかりに会社の皆様に仔猫たちを披露しました。その母猫は、その後も会社で温かく見守られながら過ごすこととなり、仔猫たちは、そのうちの2匹は会社の方のお家へと引き取られ、一番小さかった雌の仔猫ちゃんともうひとりの雄猫ちゃんはお父様が引き取られました。こうして雌の仔猫はロナちゃんと名付けられ、兄猫とともにこちらの家族となったのでした。

 

昨年の10月に母猫は亡くなってしまうのですが、それまでは会社の皆様に見守られながら恙なく過ごしていたそうです。其々にお家猫となった兄妹猫たちも母猫と離れてからも皆、すくすくと成長していました。しかしながら、どういうわけか ロナちゃんだけがなかなか大きくなれずにいたのです。ご夫妻はたまりかねてロナちゃんを検査に出しました。検査の結果、ロナちゃんの腎臓は健康な猫のわずか4分の1しか機能しておらず長くは生きられない可能性があると判明しました。ご夫妻にとっては大変辛い告知ではありましたが、その知らせはお二人の愛情をさらに深めるものでしかなく、ロナちゃんはそれ以降もお二人の愛情に包まれながら兄猫ちゃんと共にそれはもう大切に育てられました。

 

晩年、ロナちゃんが体調が悪くした時には、お父様自らが毎日自宅で点滴を施すなどし、献身的にお世話されました。ロナちゃんもまたその愛情に応えようと精一杯生きようと頑張ってくれました。しかしながらとうとうその日はやってきました。お父様とお母様がお揃いの穏やかな日、ロナちゃんは安らかな中に旅立っていきました。

 

実は、お父様は3ケ月前、母猫が亡くなる時に旅立つ母猫に「ロナちゃんを長生きさせるから」と約束していたようです。しかしその約束が果たせなかったとお父様は仰ってすっかり肩を落としておられました。

 

この度のロナちゃんのご葬送を通してご夫妻のロナちゃんに対する愛情が貰い泣きしてしまうほどにひしと伝わってまいりました。滲み出るご夫妻の優しさが私どもの胸までも震わせてくるのです。ロナちゃんはご夫妻の深い愛情の中、まさに特別な日々を過ごしていたのです。

 

ロナちゃん。今度は天国でお母猫さんと一緒にどうかご夫妻を、会社の皆様を見守っていてください。謹んでご冥福をお祈りいたします。