オカメインコのパール君が28年間の鳥生を閉じました。
オカメインコの寿命は野生で10~15年、飼育下では15~25年といわれる中で、なんと28年もの年月をご家族様とともに過ごしたパール君。ギネス記録に近いのではないかと調べてみたら、アメリカのニューメキシコ州アルバカーキにお住いのヴィッキーアランダさんのオカメインコ「サンシャイン」ちゃんの32歳がこれまでの最高齢として登録されていました。ギネス記録には届かなかったものの、パール君の28歳もさすがに珍しく、これはもう素晴らしいとしか言いようがありません。ほんとうにあっぱれです。パール君。
パール君は、28年前、ママ様のお友達からのご縁でこちらのご家族にお迎えされました。すでに成鳥だったようですが、当初は人慣れしておらず思いっきり手を突かれることもあったそう。それでも長い時間をかけて少しずつ人に慣れていき、近年ではもうすっかり心も許してくれる、ご家族様にとっては大切な家族の一員となりました。
パール君、過去には最愛のパートナー、奥様のオカメインコちゃんがいましたが、5年前にその奥様に先立たれてしまっていたのです。伴侶を亡くした直後のパール君は、いつもの美しい鳴き声ではなく寂しさのあまり叫ぶような声で鳴いていたといいます。それでもご家族の皆様と一緒に過ごしながらパール君はその苦難を乗り越えました。人生、長く過ごすと様々な苦境があるものですが、鳥さんも同様で、当時のパール君の哀しい鳴き声を想像するとなんとも言えない気持ちになります。
パール君、亡くなるその日はいつものように止まり木に止まっていました。しかし、僅かながらいつもと違っていました。「ちょっと様子がおかしいな」とママ様がパール君を手の上に乗せたその時でした。パール君はママ様の温もりに安心したのでしょうか、そのまま静かに息を引き取っていったのです。
お火葬にはパパ様、ママ様、ご子息がお立合いくださいました。お見送りの前には、ご子息からパール君夫妻が仲良く止まり木に並んで止まって囀っている動画を見せてもらいました。その動画はご家族の宝物。なので、私どももさすがにお借りしたいとは口に出来ず、直近のパール君のお写真だけお借りした次第です。考えてみれば、こちらの体躯の良い二十歳の立派なご子息はパール君の弟、それも年の離れた弟君になるのですから どこか不思議な感じと言えなくもないです・・ というか、それだけパール君が大大往生だったということなのであります。
パール君。長い間 ご家族と素敵な時間を過ごせてほんとうに幸せでしたね。空の彼方、虹の橋の欄干ではきっと最愛の奥様があなたの到着を待っています。奥様と再会した暁にはご家族皆のお話をたくさん聞かせてあげてくださいね。ご冥福をお祈りいたします。