ヨークシャーテリアのゆんちゃんが旅立ちました。
ゆんちゃんは18歳の男の子です。ご年齢から言えば かなりのお爺ちゃんですが、今ここに眠るゆんちゃんは小さな体にラメの入ったような白い被毛を蓄えています。元気な頃には道行く人によく女の子と間違われていたそうです。そんなゆん君ですからご家族様のまた皆、ゆんちゃん、ゆんちゃんと可愛がっておられたみたいです。
ゆんちゃんは、18年前、ママ様がお仕事を始めるタイミングでこちらのお宅に迎えられました。学業を修了されて社会人となられた当時のママ様には、新しい環境の中、時に胸躍るような嬉しいことも、またある時には心折れる出来事もたくさんお有りだったことと思います。ママ様はそんな身の回りの様々な出来事をおそらく全てゆんちゃんに話されていたのでしょう。ママ様は遠い目をして「ゆんちゃんにはいつも癒されました」とぽつり仰いましたが、そのお言葉には、どんな時もいつもゆんちゃんに励まされ また頑張ることが出来たというニュアンスが含まれていたのです。
ゆんちゃんは最近少し脚が弱ってきてはいましたが、昨日までは歩きも出来、いつもと変わらず過ごしていたのです。それなのに今日の明け方、そっと息を引き取ったとのこと。寿命が尽きて亡くなる場合にこのような亡くなり方をすることが多いのですが、きっとゆんちゃんは自らこの日を選んで旅立っていったようにも思います。ご家族皆様のご予定が空いていたのは今日しかなかったのですから。
ご自宅でのお別れのセレモニーを終えた後、お火葬は高台の静かな場所に移動してとり行いました。ご家族皆様が揃ってのお見送りが叶って喜んでいるのでしょうか、ゆんちゃんの寝顔はどこか満足気な優しい面持ちでした。お火葬の間中 ご家族様はずっとその場を離れずお立合いいただきました。
実は現在ママ様は妊娠中なのですが、身重のお体にも拘わらずこの暑さの中こうしてお立合いされておられるのでした。ママ様は今後、生まれてくる赤ちゃんに全力で愛情を注がれることになりますが、「僕の分までいっぱい愛してあげて」とゆんちゃんはそう言い残して旅立っていったようにも思えなくもありません。
ゆんちゃん。ママ様が無事にご出産されますようにとママ様を、ご家族様を見守っていてください。そしてまだ見ぬ赤ちゃんのご成長もまた楽しみに見守っていてくださいね。ご冥福を心よりお祈りいたします。