お仕事日録

ミックス犬 くぅ太君が夏の夜空に旅立ちました。

パピヨンとポメラニアンのミックス犬 くぅ太君が夏の夜空に旅立ちました。

 

 

享年16歳。晩年は腎臓の働きが芳しくありませんでした。ご年齢を考えれば、内臓に不具合があってもおかしくはないお年頃ですが、ここ最近に至っては、脳の老化、認知症の症状も散見されるようになっていたのです。老化による病魔と向き合いながら頑張り続ける昨今のくぅ太君でありました。

 

亡くなるその日、具合が悪そうなくぅ太君をご家族様は病院に連れて行きましたが、病院に預けて2~3時間経った頃、病院から連絡が入り、ご家族様は、くぅ太君が亡くなったと知らされるのです。

 

ご家族様はくぅ太君を連れて病院へと向かう道中、もうお家に帰ってこられないのかなぁ、と覚悟を決めておられたようです。
お父様、お母様には、くぅ太君にまつわるお話を色々お聞かせいただきながら「お拭き清め」「ご納棺」と順次執り行わせていただきました。お拭き清めにはご夫妻のお嬢様方にもお手伝いしていただき、くぅ太くんは天国へと向かう身支度を整えていきました。

 

お嬢様のお子様、ご夫妻からみて2歳のお孫ちゃんもくぅ太君に優しく話しかけられたりとお孫ちゃんなりの愛らしいお別れをされましたが、私どもにまで気さくにお話しされるお孫ちゃんの可愛いお姿やお言葉は私どものみならず悲しみに暮れるご家族皆の心を癒し和ませてくれていたのです。

 

そんな中、「この子はくぅ太のこと、覚えていられるかなぁ。忘れてしまうのかなぁ」と仰ったお父様。可愛いお孫ちゃんに大好きなくぅ太を覚えていてほしい、そんなお気持ちが無意識のままに表れたお父様のお言葉のようにも思われました。確かに、そうですね、、それは何とも言えませんが、ただ少なくともひとつ断言出来るのは、くぅ太君の命をしてお孫ちゃんのお心に育んだ「生きとし生けるものへの優しさ」は決して忘れたり消えたりはしないし、お孫ちゃんの愛のある言動ひとつひとつにその優しさの種が今まさに芽吹こうとしている、そのようにも感じていた次第です。

 

お火葬はご自宅の前でとり行いました。ご家族様も揃って屋外へとお出ましくださいました。炉前でのお別れの後、炉に火が入れられました。ご家族皆の視線が夜空に昇るくぅ太君を追いかけるだけ追いかけてふっと消えていきます。

 

さようなら、くう太君。素敵なご家族に出逢えて本当に幸せでしたね。これからもお孫ちゃんを、ご家族様をどうかどうか見守っていてね。くぅ太君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。