ネザーランドドワーフの十郎(ジュウロウ)君が老衰で旅立ちました。
真っ白な被毛に目の周りだけが黒くて可愛い十郎君は10年前、ウサギ専門のペットショップでお母様と出逢いました。お母様は十郎君に一目惚れ。こうして十郎君は双子の兄弟である五郎君とともにお母様のお家に迎えられました。
小さい頃はよく一緒に遊んでいた二匹でしたが、大きくなるにつれ喧嘩もするようになったそうです。それでも兄弟、離れ離れにならずに日々過ごすことができたことは、其々が自覚しているのかは横に置いといてもとっても幸せな兎生だったに違いないのです。人生の場合はそうとは言い切れないこともあるにはあるようですが。
十郎君のお旅立ちは突然やってきました。十郎君の様子がおかしいと感じたお母様は直ぐに十郎君を病院に連れて行かれます。しかしながら手を施す間もなく十郎君は、お母様、先生、看護師さんに見守られる中、静かに息を引き取るのでした。「前日まで元気にしていたのに」お母様は悔しさを滲ませながらその時の様子を言葉少なながらもお話しくださいました。
ご納棺後、お母様は炉台の十郎君に綺麗にお花を飾られると、最後に十郎君に覆い被さるようにしっかりと抱きしめて感謝の気持ちをお伝えになられました。お母様の思いはきっと十郎君のあの大きなお耳を通して今まさに天へと行かんとするお心へと届けられたことでしょう。
十郎君。たくさん愛されて過ごした10年でしたね。これからは、お母様、五郎君、ファミリーのうさちゃんたちをどうか天国から見守っていてね。