お仕事日録

ハムスターのもっぷちゃんが担ったものとは、

ハムスターのもっぷちゃんが旅立ちました。

 

長野のある青年が新潟で大学生の彼女と知り合いお付き合いを始めます。やがて彼女は大学を卒業し、生まれ育った金沢で就職を果たします。青年もまた彼女を追いかけるように金沢で就職を決めました。

 

しかしながら彼にとって金沢は全くの知らない土地。彼女のご両親にはすでにご挨拶を済ませてはいましたが、彼女以外、友達もおりません。そんな心細い船出ではありましたが、青年は彼女が近くにいるだけで頑張れました。しばらくして、彼は、心の拠り所を求めて手のひらにも乗るほどの小さな相棒を見つけて飼い始めます。そして、青年はその愛らしい相棒に「もっぷ」と名前を付けました。

 

金沢に越してすぐに彼は彼女のご両親とも打ち解けました。今では、週末には食卓を囲んだり、皆で外食に出かけるなど、彼女のご実家を頻繁に訪れるそうです。もちろん もっぷちゃんも一緒です。ご両親も大歓迎で、もっぷちゃんを大変可愛がっておられました。

 

あれから2年。若いお二人とご両親の優しいお気持ちを枕に もっぷちゃんは今、天へと召されてゆきました。亡くなる数日前、もっぷちゃんはご実家のお母様から餌を与えられました。虫が餌でしたので、虫嫌いのお母様はこれまで餌やりを避けていました。ですが、この日は不思議と手が動いたそうです。「最後にお世話ができて本当に良かった」お母様が後日、そう しみじみ語っておられました。

 

大きな愛を小さな体から惜しみなく与えたもっぷちゃん。皆が幸せになりました。もっぷちゃん、あなたもその一角を担っていたのですね。本当にありがとう!そして、安らかにお眠りください。