癌を患っていたイタリアングレーハウンドのモーラちゃんが亡くなりました。飼い主様ご夫妻の手を煩わせることは殆どないお利口さんの女の子でした。モーラちゃんは、最後を迎えるあたってもパパやママにお世話をかけまい、と思っていたのでしょうか、具合が悪くなって後、時を置かずして旅立っていったとのことでした。ご夫妻は、モーラちゃんとの想い出をなぞるような遠い目でお話しくださいました。
ご夫妻の瞳には視線の先のモーラちゃんを通して何が映っているのでしょうか。先代のワンちゃんと戯れ遊ぶモーラちゃん?それとも お利口さんでご主人に褒められ、悦に入るモーラちゃんでしょうか。私どもにあっては、唯々 想像する他にないわけですが、その光景は、優しく温かく微笑ましい光景であることだけは私どもにも断言できます。
その後、モーラちゃんをお預かりし、ご自宅を離れてお火葬へと向かいました。この辺りのワンちゃん達ならば必ず一度は遊んだであろう広大な海岸線が続く、モーラちゃんにとっても思い出の場所です。お火葬が始まるとそれまで続いていた大振りの雨もシトシトと少し濡れるほどに収まってまいりました。
さようなら、モーラちゃん。先代のワンちゃんとも空の向こう 虹の広場で再会できるといいね。