お仕事日録

これからもお母様の側にいるポメラニアンのポン太君

純白の被毛の美しいポメラニアンのポン太君15歳が肺炎で亡くなりました。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

ポン太君は5年前から糖尿病を患っていました。それ以前からも度々と肺炎を起こし 何度も死の淵を彷徨いました。今回は覚悟してください と動物病院の先生から三度、お母様は言われてきては、その度毎になんとポンタ君は奇跡的な回復を遂げてきたのです。ご家族が恋しくてその度に頑張って戻ってきていたポン太君でしたが、御歳15歳、人で言うところの80にもなろうかという齢です。老いも手伝ってか、この度は本当に残念な結果となってしまいました。謹んでお悔やみ申し上げます。

 

お母様はポン太君に精一杯のことをしてあげたいとお通夜付きプランをお選びいただいました。お通夜付きプランとは、お火葬前にご家族様が愛しいペットちゃんとの最後の夜を十二分に過ごしていただくため、お別れの前日にご自宅に伺い、祭壇を設えさせていただき 併せてお通夜の儀をとり行うプランです。ポンタ君のお通夜の準備は前々日に行いましたので、ご家族様にあられては丸二日 ゆっくりと時間をかけてポン太君とお別れされたものと思います。

 

大好きなお二人のお姉様とお母様に護られてポンタ君は糖尿病と闘ってまいりました。近年 目が見えなくなっていてもお母様とは片時も離れたくなくてお家の中でもいつもお母様の側にいました。7ケ月になるお孫ちゃんとお母様の取り合いをしていたこともありました。

 

ご葬儀当日。お別れ式にはお母様とお嬢様の他 ご子息様もご参集くださいました。納骨を前に、最後にお母様とお嬢様が交互にポン太君を抱きしめ号泣されました。もう抱くことのないポン太君の重みを確かめ自らの記憶の中に閉じ込めようされているのです。私が魔法使いであったらば、お母様のあの大粒の涙で冷たくなったポン太君を融かすように生き返らせてあげたい ー お母様方のそんなご様子に到底出来もしない思いまでもがふつと私の胸にこみ上げてまいります。

 

お火葬は河川敷でとり行いました。ここはポン太君がお嬢様やお母様とよくお散歩した場所です。お伺いした際には雨模様の空でしたが、今はすっかり抜けて春色に染まっていました。

 

 

お火葬が始まると遠くからのポン太君と同じ犬種である1匹の薄茶色の可愛いポメラニアンがよちよちと歩いてきました。お爺さんが後に付いて歩いているところを見るとそのお爺さんがリールなしでお散歩させているようなのです。ご家族様がその光景をご覧なられてお辛くなるかもしれないと危惧した私ですが、目にされたご家族様は全く違った事を仰られました。お聞きすると、そのポメラニアンちゃんはポン太君が初めてこの場所で遊んだ時にもお散歩していたポメラニアンちゃんだったそうです。毎日 お爺さんとここをお散歩しているのでしょうけど、久しぶりに来ることになったこの場所で再び出会うとは、なんとも不思議な巡り合わせだと思います。

 

ご家族の皆様は、ポン太君のご葬儀が終わると其々のお家に戻られます。お母様はひとりになられますが、ポン太君は生前のように、目には見えなくても お母様の側を離れず、ずっと見守り続けてくれることと思います。

 

そうだよね、ポン太君。