白と黒のコントラストが美しい猫ちゃん、2歳のゆきち君が旅立ちました。横になっている姿は今にも駆け出しそうです。
ゆきち君の命を奪ったのは悪性リンパ腫。体の中のリンパ球が腫瘍(癌)になってしまったものをリンパ腫と言いますが、猫白血病ウイルスに感染している場合は1~3歳と若年で発症することも少なくないようです。治療には抗がん剤を使用しますが、治療を施したとしてもウイルスに感染していない場合、平均寿命が6~9ケ月、1年を超せる確率となると20%程度しかなく、ウイルスに感染している場合では治療効果も低減し さらに短命となるなど悪性リンパ腫はかなり厳しい病気と言えます。ゆきち君のような若い体は細胞の増殖も活発であるため尚更、癌を勢いづかせてしまったのかもしれません。
ご夫妻にたくさん愛され、ご夫妻のお友達にも愛されたゆきち君。悪性リンパ腫は若いゆきち君の精を日に日に吸い取っていきました。そしてとうとう最期の日を迎えます。息を引き取る直前、ゆきち君は「にゃん」と一声鳴いたそうです。きっとお夫妻に「ありがとう。しあわせでした」と言いたかったのではないでしょうか。
お火葬はご自宅横の駐車場。ゆきち君はご夫妻とお友達のメッセージを認めた色紙を胸に抱いて旅立ちました。ご夫妻とご友人は揺らめく熱気となって空へと立ち昇ってゆくゆきち君を静かにお見送りされました。
ゆきち君!ご夫妻はおそらく20代か30代。まだまだお若いし、生まれ変わってもまたご夫妻の元に戻っておいで。私がそんな思いをゆきち君に投げかけるまでもなくゆきち君は必ずや戻ってくるに違いありません、再びご夫妻の元に今度こそ神様に元気な体を貰って。