お仕事日録

ミニチュアダックスフントのごんぞう君、愛妻のもとに

ミニチュアダックスフントのごんぞう君が旅立ちました。御年18歳、大往生でした。

 

「以前にも火葬をお願いした者ですが。。」 ご依頼者様は最初にそう切り出されました。お名前とご住所をお聞きし、お電話口の方は昨年の秋にお見送りさせていただいたミニチュアダックスフントのたまこちゃんの飼い主様だと分かりました。とすれば、もしや、あのごんぞう君では、と ペットちゃんのお名前をお聞きするまでもなく、私はあの日 たまこちゃんの棺にヨロヨロと近づき寂しげにクンクンしていたごんぞう君が亡くなったのだと確信したのでした。この二日後、ご自宅に出向くと その確信は受け入れざるを得ない現実として目の前に表れました。ごんぞう君が毛布に包まれ冷たくなっていたのです。

 

ごんぞう君は3月に入ってから徐々に具合が悪くなり 半ばには寝たきりになってしまいました。最期は何も食べられなくなり、一昨日の朝方、とうとう息を引き取りました。ごんぞう君は当時、まだ未成年だった飼い主様(ご子息)が18年前にご自身で選ばれお家に連れて来られました。お母様もお父様もご飯をあげたりお散歩したり大変可愛がっておられたようですが、ご子息様には全く敵わなかったみたいです。

 

そんなお話をされたお母様ですが、ごんぞう君が息を引き取った後のこの二日、夜中にごんぞう君が吠えたような気がして決まった時間に目が覚めるとのことでした。お水が飲みたい、おしっこで濡れちゃった、お母さん、お母さん、こっちへ来て!今すぐ来て!とごんぞう君が私を呼んでいるのかしらとハッとして覚醒するのだそうです。私の先代犬クッキーも晩年、昼夜問わずワオンと一声鳴いて、こうしてほしい、ああしてほしいと訴えていましたが、その時のお母様はまさにあの頃クッキーを介護していた私たちと同じような状況にあったのではないでしょうか。介護に奮闘したお母様。抱きかかえながらご飯をあげていたお父様。誰よりも一緒にいたいお兄様。最期までご家族様の愛の中で生きたごんぞう君は本当に幸せだったと思います。

 

たまこちゃんを見送った後、ごんぞう君は悲しむご家族のためにひとり頑張って生きてきました。今頃、ごんぞう君は愛妻たまこちゃんの側に行けてほっとしていることでしょう。ごんぞう君。これからはたまこちゃんと一緒にご家族様をお見守り下さい。

 

 

ご冥福をお祈りいたします。