お仕事日録

大好きだったお爺ちゃんの胸に・・トイプードルのモコ君

トイプードルのモコ君が旅立ちました。お名前の通り もこもこの被毛がとっても可愛いトイプーの男の子、14歳です。今年の4月に獣医さんに診てもらいクッシング病と診断されました。最近まで元気で過ごしていたのですが、ここしばらくは病院に通いながら点滴を受ける毎日でした。

 

8月に入って衰弱の程もかなりその度合いを増しつつあったモコ君。獣医さんには入院加療を勧められましたが、ご家族様は、モコ君にもしものことがあってはならないとご自宅から通いながら点滴を続けることに決められました。その甲斐あってモコ君は既に何も食べられなくなっていたにもかかわらず容態のほうはかなり落ち着きを取り戻していたのです。しかしながら、人間の年齢で言えば70歳以上のモコ君です。お盆を過ぎて間もなくご家族様に見守られる中、モコ君はその生涯を閉じたのでした。15年の長きにわたりファミリーの一員として愛され、また愛を与え続けたモコ君でした。ご家族様には心よりお悔み申し上げます。

 

もこ君が患っていたクッシング症候群とは、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれ、犬の内分泌疾患(ホルモンの病気)の中で最も発生が多い病気です。ホルモンは体の中のさまざまな働きのバランスを調節している物質ですが、クッシング病では副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されてしまうことによって起ります。犬の場合、その殆どが脳下垂体の腫瘍が原因だと言われ、その腫瘍によってホルモンの分泌の伝達と調節できなくなってしまうことで体に不調、不具合をもたらします。また、加齢による衰えからくる症状と似ているため見過ごされやすい病気でもあるのです。

 

お火葬はご自宅を離れてとり行うことになりました。ご家族様とはお火葬場で待ち合わせ、ご家族様はモコ君と最後のお別れをなさいます。モコ君の枕元にはご自宅の花壇でお母様が摘まれたお花も添えられました。お火葬場所の公園ではご家族様は今一度、モコ君のお顔をご覧になられ、陽が沈みつつある夏の空へと旅立つモコ君を見送られました。モコ君が大好きだったお爺ちゃんも天国で待っています。

 

モコ君よ。着いたら真っ先に飛び込んで行きなよ、お爺ちゃんの胸に! お爺ちゃんは、最後までよく頑張ったねって、強く抱きしめてくれるから。そして願わくば、お爺ちゃんの胸の中どうかご家族様を見守っていてくださいね。