輪島から避難した猫のミルクちゃん11歳が旅立ちました。

ミルクちゃんのご家族は能登半島地震で被災され、お母様のご実家がある金沢近隣の町に避難してこられました。

以前からミルクちゃんは体の具合悪かったのですが、少しずつ良くなってきてはいました。しかし今回の地震で体調が悪化し、こちらの街の動物病院に入院していました。ご家族様は毎日のようにミルクちゃんのお見舞いに行かれていました。ご家族様は取るものとりあえず避難されてきたものですから輪島に残してきた諸事情もあって輪島に一旦戻らなければならず道路インフラもいまだ復旧されてはいない中、一時帰宅をされたのです。ミルクちゃんが息を引き取ったのはご家族様が輪島へ戻られているその間でした。

私どもがご家族様との待ち合わせ場所に到着するとご家族様は既にお着きでした。飼い主ご夫妻とご子息、もうお一人女性の方がお待ちでした。お寒い中ではありましたが、ご家族様はお拭き清めに始まり、ご納棺、ご出棺と心を尽くしてミルクちゃんをお見送りされました。目を腫らして別れを惜しむお母様とご子息のご様子に切なさが込み上げてまいります。

お父様は、「輪島で送り出してあげたかった」と最初、そうおっしゃられていましたが、まさに本心なのだと思います。そのお父様の思いは今となっては叶えられないけれども少しでもご家族様のお気持ちに添えることが出来ないかと私どもなりに精一杯のお手伝いをさせていただきました。輪島での穏やかな日々を夢見ながら静かに眠るに着いたのでしょうか、最後に見せるミルクちゃんのお顔はとても優しい表情をしています。もしかしたら、皆と一緒にいつの日か故郷へ、、そんな思いを持って空へと昇っていったのかもしれません。

こちらのご家族様もそうですが、この度の地震により多くの方々が不安と不自由な生活を強いられています。被災地においては今だインフラ等の復旧も進んでいない現状です。被災地支援にも色々と難しい問題もある中、行政もあらゆる手を尽くして対処しておられるとは思いますが、なんとか早い段階での支援、復旧がなされますようにお願いしたいです。ひいては被災地で今も頑張っておられる方々、被災され非難を余儀なくされた方々がこれまで通りの生活を一日も早く取り戻されますことを心から願っています。