トイプードルの美しい女の子、茶々ちゃんが老衰で旅立ちました。
ご葬儀の前日、お拭き清めに伺った時には、お父様、お母様から茶々ちゃんの思い出をたくさんお話しいただきました。
茶々ちゃんは15年前、お嬢様が小学生の頃に神戸からご縁があってこちらのお宅にやってきました。茶々ちゃんが母犬から離れられるようになった頃、ご家族様皆でお迎えに行かれたそうです。お嬢様のその当時の笑顔が目に浮かびます。茶々ちゃんも温かくて素敵なご家族に迎えられてどんなに安心したことでしょう。
私事で恐縮ですが、私ども夫婦も先代犬を迎えた時、二人の娘は小学生でしたが、仔犬をお家に迎えることに飛び跳ねんばかりに喜んでいたことを記憶しています。おそらく当時のお嬢様もお迎えする喜びにワクワクが止まらなかったのではないでしょうか。そして私どもの娘と我が家の先代犬同様、茶々ちゃんとお嬢様もまた姉妹のように寂しい時や悲しい時は互いに慰め 嬉しい時には喜びを分かち合うそんな日々を過ごしたものと存じます。
初めての出遭いからここに至るまで思い出は尽きませんが、今晩は、夜を通してご家族様と茶々ちゃんはひとつひとつの思い出を其々の記憶の中から手繰り寄せてはまた確かめて其々の心に刻み付けるのです。今晩もきっとご家族、茶々ちゃんどちらにとっても忘れられない夜となることでしょう。
お火葬当日。枕経、ご焼香を終えて玄関前でのご出棺となりました。ご家族様は炉前で茶々ちゃんと最後のお別れに臨まれました。茶々ちゃんは昨夜、心に刻んだたくさんの思い出を懐に仕舞いこんでお旅立ちに臨みました。お父様に抱かれたファミリーの弟犬トラ君も最後にワンと哭いて茶々お姉ちゃんにさよならと声を掛けます。程なくして炉に火が入り夜空がかすかに揺らめき茶々ちゃんはゆっくりと天国へと上がっていきました。
茶々ちゃん。ご家族の皆を天上より見守り、これからもより幸せが降り注ぎますようにと祈っていてね。そしてトラ君のこともね。ご冥福をお祈りいたします。