お仕事日録

ミニチュアシュナウザー、クリリ君が旅立ちました。

15歳と9ケ月のミニチュアシュナウザー、クリリ君が旅立ちました。

 

クリリ君はここにきて認知症を患っていました。徘徊を繰り返したり頻繁に癲癇の発作を起こすようになっていたのです。それは自らにとっても大変辛い日々だったことでしょう。飼い主様におかれてはこれまでも一生懸命に介護してまいりましたが、クリリ君、とうとうここにその生涯を閉じることとなりました。

 

クリリ君は生後6ケ月の時に富山からこちらのお家に貰われてきました。今日のご葬送にもお立合いいただいているご子息がおそらくまだ小学生の頃でしょうか、あの日からここに至るまで、クリリ君は時にご子息の心を励まし時に慰めたりしながら成犬に成長し、ご子息はと言えばクリリ君を見守り可愛がることで優しいお心を育まれ、さながら兄弟のように共に成長してこられたのです。

 

しかしながら、悲しいけれどもその成長速度は一緒ではありません。ご子息は立派な大人の男性になられる頃にはクリリ君はお爺ちゃんになってしまい、今ではもう何も認知することも出来ずに日々過ごすしかなかったのです。

 

人とペットちゃんとでは老いの速さが違う ― 抗うことの出来ない定めだとは分かっていても本当にやるせなくなります。

 

 

お火葬はこちらのお宅のご先祖様が眠る墓地の近くでとり行いました。ご納棺はご子息自らクリリ君を抱きかかえるようにしてとり行いました。お母様はクリリ君にお顔を埋めるようにし、お婆様は「我が家に来てくれてありがとう」と目を潤ませて最後のお別れをされました。

 

夜空にクリリ君が上がってゆきます。ご先祖様も近くでそっと見守っておられることでしょう。お見送りされたご家族様は一旦ご自宅に戻られ、ご焼骨後に今一度こちらの場所に来ていただきクリリ君のお骨を上げていただきました。

 

ご先祖様にも見守られて星になったクリリ君。どうかこれからもご子息の、ご家族の皆の健康と安寧を遠い空の向こうから祈っていてくださいね。どうか安らかにお眠りください。