お仕事日録

保護猫のひでかちゃんが旅立ちました。

推定年齢14歳、ミックス猫のひでかちゃんが旅立ちました。肥大型心筋症による血栓塞栓が原因でした。肥大型心筋症は動脈内に血栓ができて血管が閉塞してしまう猫に多い心臓病のひとつです。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

3年前の夜、ご家族様はお家の近くの普段は通らない道を散歩しておられました。すると向こうから泥まみれの猫ちゃんが歩いてきたのです。猫は警戒心を見せることもなく近づいてきてご家族の側を離れませんでした。お腹も空かせているようですぐにご飯をあげて休ませてあげたい。そうは思ってもお家には先住猫がいて連れて帰るわけにもいかずご家族様は夜間に診療している獣医さんのところに猫を連れて行きました。病気を持っていないことを検査、確認されたご家族様は、その後、猫をお家に迎え入れることにされたのでした。こうして1匹の迷い猫は「ひでか」と名付けられ 晴れてこちらご家族の大切な一員となりました。

 

素敵な家族に迎えられたひでかちゃん、身体中の汚れをすっかり落とし毛並みも艶やかな美しい猫に生まれ変わりました。もしかしたら何年も田んぼや道端を彷徨っていたのかもしれないと獣医さんも仰っておられたのです。

 

こちらのお宅の先住猫ちゃんは4匹全て保護猫ちゃんです。2匹の兄弟はお花屋さんの前で捨てられていたところを保護された猫、後の2匹はお嬢様が通っていた和歌山の大学で保護された猫達で、パパさんママさんが和歌山までお迎えに行かれたというそんな経緯がありました。ひでかちゃん同様、こうして救われた猫ちゃん達もまた今日のひでかちゃんのご葬送を居間の窓のカーテン越しから、はたまた2階の出窓からそっと見守ってくれていました。

 

ご夫妻曰く、最期の時を迎えたひでかちゃんはとっても優しいお顔をしていたとのこと。今日のお弔い最中のお顔もご家族様の愛を身近に感じているのかとても穏やかでした。ご家族様と出逢って僅か3年余ではありましたが、こちらの家族の一員になれて本当に良かったと思います。かかりつけの獣医さんもご家族様がこれまでよく面倒を見られたと感心されていたようです。

 

ご家族に感謝だね、ひでかちゃん。愛される喜びを知った優しいお顔をそのままにどうか安らかにお眠りください。そしてご家族と同じ境遇の仲間達をこれからも天より見守っていてね。