お仕事日録

保護猫 Mちゃん、お姉ちゃんとお兄ちゃんの元に

猫のMちゃん、推定年齢21歳が旅立ちました。若い時にこちらのお宅にやってきた保護猫ちゃんなのではっきりとした年齢は分かりませんが、20歳を超えていることは確かのようです。

 

Mちゃんはかつてご葬送させていただいたNちゃんとM君のファミリーです。Nちゃん、M君もMちゃん同様、保護猫で、Mちゃんは先に保護されたM君が飼い主様のところに連れてきたのがきっかけでこちらのファミリーになりました。其々の猫ちゃんには可愛いお名前がありますが、ここでは飼い主様のご意向によりアルファベットで記載させていただきたいと存じます。

 

飼い主ご夫妻とMちゃんが出逢った時のお話です。ある時、先住猫のM君がどこからか雌の猫を連れてきました。その子が後のMちゃんです。その時のMちゃんはかなり弱り切った状態でした。歯は折れ、目には穴が開いていました。お母さまは「あなたを治してしてあげたいから家に来る?」と声を掛けられました。するとMちゃんは「お願いします」と言わんばかりに体を寄せてきました。お母さまが優しく撫でられるとMちゃんはもっともっととさらに甘えてくるのでした。

 

早速、お母さまはMちゃんを病院へと連れて行きます。先生からは「保護が遅れていたら目を失っていたかもしれない。早くて良かった」と言われました。不憫な猫ちゃん達を放っておけないお母さまはこれもご縁とこれまで同様、Mちゃんもまたお家に迎えられるのです。

 

最初の内は、Mちゃんは長女猫のNちゃんに歓迎されてはいませんでした。ところが ある時、Mちゃんが大病を患うと、NちゃんはMちゃんの側を離れず看病してくれたとのこと。それから、NちゃんはMちゃんを受け入れ 大の仲良し姉妹となりました。

 

令和元年にNちゃん、令和4年にM君を亡くし、ひとりぼっちになっていたMちゃんでしたが、今夏、とうとうその生涯を閉じるのでした。ご夫妻と出逢ってほんとうに幸せな猫生だったと思います。

 

お火葬はNちゃん、M君の時と同じ海の見える静かな場所でとり行いました。ご夫妻におかれましては、ご焼骨が終わるまでずっとお隣でお立合い、お見守りいただきました。

 

ご夫妻はMちゃんで迷い猫を保護することは最後にします、と仰いました。ご縁をいただき、三度、愛猫のご葬送をお手伝いさせていただいた私どもですが、愛猫のために御身を削って頑張ってこられたご夫妻には尊敬の念を抱かざるを得ません。この度もお礼のメールを後日いただきましたが、Mちゃんと出逢った時のことやアレルギーを克服しようと頑張っている様子などその他にも色々と知ることができました。以下、お母さまのメールより抜粋。猫ちゃんのお名前はアルファベットに変えて記載させていただきます。

 

Mちゃんは保護時は1.7kgで左の牙としっぽが折れ、顎の毛は禿げ、右目は小さな穴が開いており、被毛はトゲトゲ。爪のしまい方がわかっていない、保護が遅ければ目を失っていただろうと言われていました。(治ってからも何年かは赤い涙を流していましたし、よく見ると確認できる穴のあともずっと消えなかったです) 満身創痍での出会いでしたが、大人しく治療を受けてくれて、ボロボロ時代など覗わせないほどツヤツヤフワフワになれた頃(画像を添付していただきました)には、『うちに来る前は小さなあの体でトゲトゲの鎧を着て外でひとり頑張っていたんだな』と感じました。・・・ 食物アレルギーを発症するまでは数年間闘病期間がなかったのですが、皮膚の荒れがアレルギー対策食品で持ち直したのに、2018年からお姉ちゃんが慢性腎不全、お兄ちゃん・Mちゃんが慢性腎不全と甲状腺機能亢進症併発し、アレルギー対策品でない甲状腺機能用療法食に移行してからは、Mちゃんは亡くなるまで口元、耳元の腫れがあり、痛痒そうでした。・・・

 

以上、ご夫妻からいただいたメールのほんの一部ですが、これだけでも飼い主ご夫妻がMちゃんのために懸命に頑張っておられたことがお分かりいただけると思います。

 

 

Mちゃん。ご夫妻と出逢えてほんとうに幸せでしたね。これからはNお姉さん、M兄さんと一緒に天国からご夫妻を見守っていてね。

 

ご夫妻さまにはこの度もまたご用命いただき有難うございました。頂きましたメールでは知り得なかったMちゃんを知ることが出来て嬉しかったです。メールに添付してくださった手作りの祭壇、とても素敵ですね。