ミックス猫のリン君、12歳が旅立ちました。
星の綺麗な山里に住んでいるリン君は糖尿病を患っていました。発病してから5年、最近では食欲の方もかなり減退していました。それでも亡くなるその日の朝もごくごく普通に過ごしていたのです。
その日の夕刻、飼い主様がお仕事から戻って来られると、リン君は玄関の下駄箱の下の暗いところで亡くなっていたのです。ご家族におかれましてはあまりに突然のこと。私どもとしても唯々お悔やみ申し上げるしかないのでありました。
リン君にはファミリー猫ちゃんがいます。その子はリンと同じ保護猫ちゃんでしたが、飼い主さまにはなかなか懐いてはくれません。ところがリン君にはとっても懐いていつもリン君と同じ行動をしていたらしいのです。リン君は、そんなファミリー猫ちゃんとご家族さまの様子を心配してか、ご家族さまとその猫ちゃんの間を常々取り持ってくれていたみたい。
リン君が旅立った後、ファミリー猫ちゃんはニ階に上がったまま全く降りてくる気配はありません。ご訃報をお聞きしその日のうちに伺うこととなった私どもですが、リビングに上がらせていただいた時も、その後の「お拭き清め」の時も、ニ階で物音ひとつさせずじっとしているのでした。
お火葬はご自宅の玄関前でとり行いました。山懐の奥深く星が瞬いています。熊にでも出くわしそうな山間の集落で夜が更けてゆきます。ご家族様曰く、この前も近くで親子の熊を見かけた人がいるのだとか。それにしてもこんな自然豊かなところで暮らしていたなんて。。リン君はさぞかし伸び伸び暮らしていたことでしょう。
そんなリン君が突然いなくなってしまったのです。ご家族さまはもとよりファミリー猫ちゃんもまた寂しく不安なことと思います。
リン君。これからも今まで同様、ファミリー猫ちゃんとご家族さまの仲を取り持ち、見守っていてね。心よりご冥福をお祈り申し上げます。