お仕事日録

ノルウェージャンフォレストキャットの茶々丸君、ご家族みんなに囲まれて。

ノルウェージャンフォレストキャットの茶々丸君が旅立ちました。

 

茶々丸君は亡くなるその日も大好きなご飯も食べて窓際で日課となっているカラスの飛来を眺めながら過ごしていました。いつもと変わらぬ光景でした。

 

その後、用事を済ませたお母さまは横たわり じっとしている茶々丸君を見つけます。お母さまは茶々丸君を起こそうとしますが、何度、名前を呼んでも彼は起きてはきません。不審に感じたお母さまは茶々丸君に歩み寄り、彼の様子を確かめました。何と言うことでしょうか、茶々丸君は既に息を引き取っていたのです。

 

獣医さんにも驚かれるほどの、あまりに突然のお旅立ちでした。享年5歳。亡くなる理由、原因も全く見つかりません。お母さまも大変動揺されたことでしょう。目の前に突如突き付けられた現実にご家族さまにおかれては唯々やるせないそのお気持ち、如何ばかりかとお察し申し上げます。

 

お仕事を通して私どもも過去にも同様の亡くなり方をした純血種の猫ちゃんをご葬送させていただいたことがございました。その時も、どうしてこんなことが、との思いに駆られたのです。また 前々から純血の外国種の猫ちゃんに突然死が多いような気がしており、よくよく調べてみたことがありました。そこでは、突然死の多くは肥大型心筋症が原因で中高年の雄猫に多くアメリカンショートヘアーやメインクーン、ペルシャなどの純血の品種に多いとされていました。そのなかでもノルウェージャンフォレストキャットは比較的丈夫な品種なのだそうですが、もしかしたら遺伝的な関連があるのかもしれません。

 

茶々丸君は大きなご家族の一員です。お父さま、お母さま、お二人のご子息とご家族さま、お嬢さまご家族さまに囲まれてとっても幸せな5年間でした。ご家族さまはお父さまのご実家に全員がお揃いになられ お別れのセレモニーにご参列くださいました。急逝からここに至るまでの丸一日、ご家族さまはこの苦しい現実を受け入れられました。相当に辛く哀しい時間だったことと思います。セレモニーが終了し、ご家族さまは其々のお車でお火葬場所に向かいます。茶々丸君はご夫妻の車に同乗しました。ここに至ってはご夫妻の側を片時も離れてはならないのです。

 

 

金沢市街を見下ろす美しい丘にやってきました。いよいよお別れのお時間です。お孫さま方はおひとりおひとり茶々丸君にお渡しするお手紙を認められましたが、そのお手紙の束もまた美しい花々とともに茶々丸君の枕元に添えられました。「茶々丸君はすずちゃんが待っているから寂しくないよ」とお孫さんのひとりが私どもにそっと教えてくださいました。そうなのですね、きっと先住猫ちゃんが先に虹の橋にいて彼の到着を待っているのですね。

 

炉に火が入り、優しいご家族の輪の中心から茶々丸君は空へと昇って行きました。たくさんの愛に包まれて本当に幸せでしたね、茶々丸君!お子さま方からのお手紙、本当に嬉しいね。どんな可愛いらしいことが記してあるのかな。

 

茶々丸君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。