ふわふわの毛に包まれた猫の女の子、白子(シラコ)ちゃんが旅立ちました。
以前お見送りのお手伝いさせていただいたみかんちゃんのご家族様からご依頼をいただき、ご自宅に伺いました。ご自宅には以前、お会いしたお父様はおられず、お嬢様がひとり、私どもの到着をお待ちでした。
お嬢様に抱かれて眼前に現れたキジ白の白子ちゃん、享年12歳。その毛並みは優しい風に揺れる羽のようでした。そして見る人の心を柔らかく包み込むまんまるお目々、今は静かにその目を閉じて優しい面持ちで眠っています。ご家族様には、こんなに愛らしくかけがえのない白子ちゃんとのお別れのひとときを今一度、私どもに託していただけるとは … ほんとうに感謝しかありません。心よりご冥福をお祈りいたします。
お嬢様がご結婚される前に一緒に暮らしていたという白子ちゃん、お嬢様が金沢を離れることになってからはご実家で過ごすようになりました。とは言うものの、離れてもなお その絆は変わらず週に何度もお嬢様と白子ちゃんは顔を合わせておられたみたいです。「重い病と向き合いながらも医師の予想を超えて5月の連休を頑張り続け、さらに一ヶ月以上も生き抜いてくれました」と、白子ちゃんのご葬送のためにご実家に来られていたお嬢様は目を潤ませながらお話しくださいました。白子ちゃんは、穏やかな時間の中、その命の灯を静かにそして確かに燃やしていたようです。
白子ちゃんにとっての みかんちゃんはお嬢様やご家族様と同様、大切な家族の一員でした。白子ちゃんはみかんちゃんが旅立った後、急に元気がなくなっていったようですが、心の負担からか、その後、大きな病に見舞われると とうとうこの日を迎えてしまったのです。
白子ちゃんの鳴声、仕草、存在、その全てが日常から抜け落ちていくことの寂しさは、ご家族様には言葉にもならないことと存じます。きっと白子ちゃんもまた皆様に会えない寂しさに心の中で泣いていることでしょう。それでも白子ちゃんが向かった先にはきっとみかんちゃんが待っていてくれているはず。みかんちゃんがいるから安心。きっとあの子が白子ちゃんを優しく癒してくれるに違いありません。
白子ちゃん、長い間、ほんとうによく頑張りましたね。あなたがくれた日々のやわらかな記憶はこれからも折に触れてご家族の心を優しく灯し続けてくれることと思います。ありがとう、白子ちゃん。どうかどうか みかんちゃんとともにまったりとした猫時間を楽しみながら遠い空からご家族の皆さんを見守っていてね。