ロシアンブル―の風(ふう)ちゃんが旅立ちました。ブルーグレー毛色が美しい16歳の女の子です。ご葬送に伺うと ご主人と奥様、ご子息様がお待ちでした。とても穏やかなご家族様です。
風ちゃんはさしずめご夫妻の末の箱入り娘であり、ご子息にとっては可愛い妹のような存在だった。そして彼女はご家族様の温かいお心に包まれ癒され日々とても穏やかに過ごしていた ー こちらのご家庭の優しく落ち着いた空気感が私をそんな確信へと導くのでした。終末期には重い病気を患っていた風ちゃんでしたが、冬の澄んだ空のなか深窓の令嬢らしく気品漂う美しい姿のままに、まさに本当の風になったのです。
この冬の間、風ちゃんは幾度となくご家族様ひとりひとりのお心の中に降りて来ることでしょう。最初は風ちゃんの姿がない現実に辛くなることもあると存じます。でも、いずれ風ちゃんとの楽しかった思い出の数々がとっても愛おしく胸に温かく感じる時がやってくるのです。私たちはお祈りいたしております。一日も早くご家族様にそんな日が訪れることを。そしてそれは、春一番となった風ちゃんがご家族様の胸の内に積もった雪を融かしにやってくる時なのかもしれません。
掲載のお写真はイメージです(ロシアンブル―ですが、風ちゃんではありません)