お仕事日録

良い子を貫いたチワワのアイロちゃん

チワワのアイロちゃん、11歳が亡くなりました。亡くなった事由は心肥大による呼吸不全。心肥大は心臓病の中でも一番発症率が高く、室内小型犬が多く罹ります。この心肥大(僧帽弁閉鎖不全)で愛犬を亡くされた飼い主様からのご依頼を過去にもお受けしたことがございますが、そのワンちゃんもチワワでした。チワワという犬種は元々心臓があまり強くない犬種のようです。アイロちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。

 

アイロちゃんはご家族様と行くお散歩が大好きでした。朝のお散歩はお母さん、夕の散歩はお爺さま。といった感じで、旅立つその日まで欠かさずお散歩に出かけていたのです。亡くなるその日の夜も いつものようにお母さんと一緒に寝ていました。が、そのうち徐々に具合が悪くなってきて、息苦しいのか お母さんの傍らでとても苦しそうにしていました。挙句、ふつと立ち上がると寝室から出て階段の踊り場で伏せてしまいました。お母さんは、そっとしておいてあげようと見守っていましたが、なかなか戻ってくる気配もありません。心配になりお父さんが見に行くと、アイロちゃんはすでに息を引き取っていたのです。

 

アイロちゃんは手のかからないとても良い子でした。亡くなる時も、遠く離れてお住みになられている大学生のお嬢さんがお戻りになられる日を選び、そして、いついかなる時も緊急でお仕事に向かわねばならないお父さんの時間の作れる日を選んで、旅立ったのです。最後の最後まで良い子を貫いたアイロちゃんでした。

 

お母さんがお父さんのお出かけのお時間を気にしておられましたが、お父さんにはなんとかご出棺までお立合いいただけたことで、私どももほっとしました。お聞きはしませんでしたが、お父さんのお仕事はもしかするとお医者様なのかもしれません。

 

 

お火葬を終えてご自宅にアイロちゃんをお返しいたしました。アイロちゃんもわが家に戻ってほっとしているのではないかと思います。

 

 

常に一緒に寝ている大事な我が子がいない夜とはどんな夜なのだろうか。お母さんはどんな気持ちで今夜 過ごすのか。毎晩 私の足元で寝息を立てている我が子ユズ。ユズももう11歳。。。私の思いがお母さんのお心にシンクロして、空想と現実の狭間で怖気づいている自分の姿が渦となって胸のなかを掻き乱しはじめました。