お仕事日録

ジャックラッセルテリアのマックスちゃん 良き思い出は。。

ジャックラッセルテリアのマックスちゃん17歳 が腹膜炎で亡くなりました。腹膜炎とは腹膜の炎症のことで主に外傷や細菌に感染することにより引き起こされる病気です。17歳は人年齢ではほぼ100歳に相当すると考えるにマックスちゃんはすでに病気を跳ね返すまでの体力は持ち得ていなかったのかもしれません。

 

ご自宅に伺うとご主人と奥様がお待ちでした。リビングの中央では棺箱のマックスちゃんが穏やかなお顔で横たわっています。それはまるで夢見心地で眠っているかのようでした。昨晩、マックスちゃんが入院していた動物病院から電話が入りました。今夜がかなり厳しいやまになるとのご夫妻にとっては大変お辛いお知らせでした。ご夫妻は夜の10時に病院に駆けつけ、最後に一目に会うことが叶えられました。そして日付が変わった5時間後、マックスちゃんは旅立ちました。

 

お吹き清めの儀式が終わり、いよいよ納棺の時がやってきました。奥様が自らの手でおくるみに包まれたマックスちゃんを棺籠に移されました。嗚咽を堪える奥様、そのお隣でご主人は労わるような眼差しを奥様に向けておられます。お二人の胸にはこれからマックスちゃんとの楽しかった思い出が次々に去来することと存じます。しかしながら 波のように押し寄せる数多の思い出は、同時に例えようのない喪失感をも一緒に連れてやってきて、そして心の岸辺を抉るように侵食していくのです。

 

それでも信じてください。その波はしばらくすると新たな砂を岸辺へと運んでまいります。思い出は命の源、海深く退いて、愛に満ちた多くの砂を岸辺いっぱいに運び、足元を固めてゆくのです。その時、喪失感は不思議に幸福感へと変わります。だから思い出の波は堰き止める必要など全くないのです。寧ろ 波打ち際に佇んで深呼吸するくらいに深く受け止めて欲しいと思います。良き思い出は想う人を幸せにするものに他なりません。マックスちゃんとの思い出は言うまでもなくご夫妻だけのかけがえのない宝箱です。今はまだ喪失感を纏ってはいても幸せいっぱいの宝箱であることには何ら変わりはないのです。

 

心よりご冥福をお祈り致します。ご用命いただき有難うございました。