チワワのソラ君が旅立ちました。13年の生涯でした。
ソラ君は以前にご葬送させていただいたリク君のファミリーです。心臓が弱かったけれど昨日まで普通に過ごしていたソラ君でした。そんなある日のこと。ソラ君の呼吸が急に乱れだし 飼い主様はすぐに病院に連れて行きます。先生の診断結果は肺気腫。病院では出来うる限りの処置をしていただいたようですが、老齢のソラ君は大好きだったリク君のもとへと旅立つことを選びました。
お母様、お祖母様、お嬢様、そして二人のお孫ちゃんにはお拭き清めの儀に加わっていただき、皆様にもお別れの最後のひと拭きをしていただきました。その間、ソラ君の思い出話もたくさんお聞かせいただきました。
お拭き清めに身を任せているソラ君はとっても可愛いお顔で眠っていますが、お母様以外には誰であってもお顔を触られることが大嫌いで、ご家族の皆さんは、一度はソラ君にパクリと嚙みつかれたことがあるとのことでした。「でも、今日は可愛いそのお顔にも、いたずらなその口にも触れるね。。」 お嬢様はそう仰るとソラ君の口元を優しく拭き清められました。幼いお子様たちも小さな手で診よう見まねでママに倣われました。ソラ君はここ2、3日、普段あまり甘えないお嬢様にもかなり甘えていたようです。そんなソラ君のいつもと違う様子にお母様は「きっと自分の限りを知っていたのだと思います」とソラ君を愛おし気に見つめながら仰いました。
お散歩が大好きだったというソラ君。ちらほら桜が咲き始めた頃、お母様はソラ君を連れてお散歩に出かけます。その日はとっても良いお天気でした。今思うとそのお散歩がソラ君との最後の思い出になったとお母様。あの日を思い出しておられるのでしょうか、ソラ君に向けられたお母様の優しいまなざしはどこか遠いものでした。お母様はソラ君を想うたびにこれからもこの日のお散歩を振り返ることになるのでしょうか。
ソラ君らしい空の下でのお散歩はソラ君がお母様に残した思い出のプレゼントです。ソラ君にはモノクロの思い出は似合いません。桜色のリボンが飾られたブルーの包装紙・・・ だったらとてもお似合いだと思います。お母様の心の中の思い出がカラフルに色付くことを私たちは願ってやみません。