お仕事日録

ネザーランド ドワーフのぽぽちゃんが亡くなりました。

6月の初め、ネザーランド ドワーフの男の子 ぽぽちゃんが亡くなりました。

 

お火葬のご依頼を承り、その3日後、飼い主様宅のマンションを訪ねました。お出ましいただいたのは20代の優しそうな男性。お通しされたお部屋はガランとしていて家具も最小限のものしか置かれてなくてここに引っ越して来られてまだ日が浅いようでした。飼い主様であるその青年はおそらく一人暮らしをされ、ぽぽちゃんと同居しながら日々のお仕事に頑張っておられていたみたいです。

 

飼い主様に抱かれて部屋の奥から目の前に現れたぽぽちゃんには私くし、正直驚きました。今までお会いしたうさぎちゃんの中でも群を抜いてミニチュアだったのです。アッシュがかったチャコールグレーの毛並みにウサちゃんとは思えないほど小さなお耳をしていてそのあまりの可愛さに思わず声を上げてしまったほどです。体重をお計りするとなんと0.2Kg。痩せてはいますが 病気で痩せているようでもなく、飼い主様にお聞きするとまだ成長しきれていないのかもしれないとのことでした。

 

そんなぽぽちゃんですが、3日前、飼い主様がお仕事から戻られるとなんと息も既に止まっていて体も冷たくなっていたとのこと。またそれまでは至って元気で飼い主様にも急逝の確かな原因は見当たらないとのことでした。お歳はまだ1才。亡くなる兆候すら覚えもなくて飼い主様におかれてはまさに晴天の霹靂でした。心よりお悔やみ申し上げます。

 

お火葬は駐車場で行いました。梅雨の到来を予感するシトシト雨がアスファルトを濡らしています。空まで咽び泣いているかのようなどこか哀しさの宿る雨でした。

 

 

その後、お火葬も無事に終わり、お骨は2寸のお骨壷に全て収めさせていただきました。うさぎちゃんの骨量は猫ちゃんやワンちゃんに比べて見た目より随分と少ないものですが、さらに小さなぽぽちゃんのお骨は片手の掌に収まる2寸のお骨壺に全て収めてまだ余裕があるほどでした。

 

お拭き清めの途中にもどこか虚ろな飼い主様のお気持ちを和らげられるならとご出身をお聞きした私でしたが、あの時の飼い主様のご返答は、生まれは高松で大阪から金沢にお仕事でやってきたとのことでした。私くし、なんの脈絡もなく すぐさまかほく市の高松を想像し、「だったらご実家にもすぐに帰れますね」と申し上げたのですが、「いえ。そんに近くはないですが。。」と飼い主様は仰られました。後々、考えてみると、高松は高松でも四国の高松市だったみたいで、お気持ちを和らげるどころか飼い主様にはポカン(?)とさせてしまいました。若い頃、当時のお仕事で全国を行脚した私くしですが、どうやらかなり世間を狭くしてしまったようです。

 

ぽぽちゃん。神様の身許に帰った今、ご実家から遠く離れた金沢で頑張っている飼い主様に、お若いながらも心あるお弔いをなされた飼い主様にどうか天国より幸せのエールをお送りください。