お仕事日録

この青い空の向こうより見守っていてね。パピヨンのちえちゃん

パピヨンの15歳の女の子 ちえちゃんが旅立ちました。

 

パピヨンのちえちゃんは以前ご葬送させていただいたコーギー、アル君のお母様のご実家のワンちゃんです。アル君のお母様からご実家のワンちゃんが亡くなったので、とご葬送のご依頼をいただいたのです。

 

 

ご実家は川の流れる山裾のとても長閑な場所にありました。パピヨンのちえちゃんはアル君のママさんのお父様、お母様と一緒に暮らしていました。ちえちゃんは日頃、チーちゃんと呼ばれていました。8年程前にご夫妻は譲渡会でチーちゃんに出会いました。一目会ってすぐにご夫妻に懐いてきてくれた愛らしいワンちゃんがチーちゃんです。あれから8年。チーちゃんは心優しいご夫妻と自然溢れるこの地でともに過ごしてきたのです。

 

「チーちゃんが亡くなってからまだ1日だけどもう寂しい。明日からどうしよう・・・」お母様はご葬儀に出向いた私どもに心の内を吐露されました。私どもは冷たくなったチーちゃんを前にして寂しさを紛らわす代替のものなどあるはずもなく頷くことしかできずにいました。ご夫妻にはお子様がおられてもアル君のママさんしかりで嫁がれたり県外などに出られたりとかで今はご夫妻二人っきりで住まわれているようにもお見受けしました。多分、ご夫妻にとってチーちゃんは親元を離れてしまったお子様方に代わる大切な子供のような存在だったのではないでしょうか。お父様は畑仕事に出かけているとお母様は仰っておられましたが、お父様は辛すぎてこの場に留まっていることができず、畑でひとり無心で土を弄ることでそのどうしようもない悲しみと押し寄せる寂しさに抗おうとされていたのです。

 

チーちゃん。そんなお父様、お母様のこと、この青い空の向こうよりどうかどうか見守っていてください。