お仕事日録

大の仲良しだったべポ君のもとに。イタリアングレーハウンドのボアちゃん

ベージュの短毛が可愛いイタリアングレーハウンドのボアちゃんが老衰で亡くなりました。御年11歳でした。

 

 

ボアちゃんは2ケ月前にご葬送させていただいたべポ君のファミリーです。ボアちゃんは個性的な仲間たちがいる中にあって常に周りの状況を察知して時に譲ってあげられるとても優しい性格の女の子でした。ボアちゃんは大勢のファミリーの中でも亡くなったべポ君とは大の仲良しでした。

 

べポ君が亡くなって以降、ボアちゃんはとても寂しがっていたのです。食欲もみるみる落ちて2ケ月の間にガリガリに痩せてしまいました。大好きな家族と過ごしたソファーに横たわり寝てる時間が多くなりました。そのうちソファーにも上がれなくなり、お父さんがソファーに乗せてあげる日々が続いていました。

 

もしかしたら今日が旅立つ日なるかも、とそんな予感がご夫妻に降りてきました。お風呂の前にボアちゃんを暫く抱っこしていたお父さん、ボアちゃんの呼吸が落ち着いていたのでボアちゃんをソファーに残してその場を離れたのです。すると、ボアちゃんはソファーの上ですくっと立ち上がりました。お嬢ちゃんがそれを見て「パパ、ボアちゃんが立ったよー」と驚きの声を上げました。しかし立ち上がってまたすぐに横になると静かに息を引き取ったのだそうです。お父さんが駆けつけた時にはすでに亡くなった後でした。定位置だったソファーの上で最期を迎えたボアちゃん。べポ君のいない寂しさに耐えた2ケ月は大きなストレスになってしまっていたのでしょうか。

 

ボアちゃんのお拭き清めには同犬種のビビちゃんがご夫妻、お嬢ちゃんと一緒に立ち合われました。ビビちゃんは落ち着かない様子で、お父さんの膝の上からボアちゃんの様子を見ていました。その一方で私どもの事も気になっているようで私どもの目を盗むようにボアちゃんに近づいて、「どうして起きて来ないの?」と言わんばかりにボアちゃんの匂いを嗅いだり前足で身体を揺するようにトントンしてみたり ずっとボアちゃんの側で離れませんでした。

 

べポ君が亡くなり、今、ボアちゃんも旅立って、ついにファミリーの中でイタリアングレーハウンドはビビちゃんひとりとなってしまいました。ビビちゃん、寂しいけれどもボアちゃんの分まで元気でいてください。

 

お火葬はべポ君の時と同様、ドッグランのある、あの場所です。冷たい雨が降る中 べポ君をここでお見送りしたのがつい昨日の事のようです。ご夫妻に見守られてボアちゃんは今、旅立ちました。

 


かつてベポ君と遊んだドッグランが見えていますか。天国ではべポ君が待っているよ。ボアちゃん!空の広場でべポ君といっぱいいっぱい遊んでね。

 

ボアちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。そしてご夫妻様には、三度、ご用命いただきましたこと、心より感謝申し上げます。