15歳のミニチュアシュナウザー、うさ君が血管肉腫のため旅立ちました。もう少しで16歳を迎えるところでした。
一年前、余命1ヶ月と宣告されたうさ君でしたが、驚くほどの生命力でその後も1年間、パパ様とママ様の側で病気と懸命に闘い続け、ここにとうとう命の尽きる日を迎えるのでした。うさ君、ほんとうによく頑張ったね。
生前のうさ君はとてもお利口さんで手のかからない子でした。お顔立ちも美しく、お散歩の時には決まって「かわいいね!」と声を掛けられ、ある時には道行く人に「いくらでも払うから売ってください」と言われたこともありました。
お火葬のご依頼を承り、「お拭き清め」にご自宅に伺ったのは亡くなった翌日でした。先ずは綺麗に身支度を整えたうさ君ですが、その日はその後もいつもと変わらずパパ様とママ様の隣で安らかに過ごすとその夜はママ様と一緒にお床に就きました。そしてその翌日もご夫妻とともに過ごし、前日の夜同様、ママ様に抱かれて眠りに着いたのです。
翌朝、最後のお別れは緑豊かな高台で執り行われました。木々の緑はところどころ紅く染まりだしています。炉前でのお別れの前にしてママ様は今一度、うさ君を腕に抱いて木々の生い茂る中、最後の散歩をすることになりました。パパ様もまたママ様とうさ君の様子を悲しくも優しい眼差しで見守っておられました。ママ様が石段の上段にうさ君を抱いたまま腰を掛けられるとママ様とママ様に寄り添うパパ様の背中に木漏れ日が降り注ぎ、とても印象的は光景が私どもの眼前に広がりました。うさ君とご夫妻を包んでいる陽の光はあまりに美しく、それは天上の神様がその大きな愛で、頑張り続けたうさ君とうさ君を守り支え続けたご夫妻を包み込み、労っているようにも思えるのでした。愛が天から降り注いでいるような、、まさにそんな感覚を覚えたのです。
程なくうさ君はご夫妻に見守られる中、澄んだ秋の空へと昇っていきます。一昨日からずっとご夫妻の側を片時も離れなかったうさ君、嬉しかったね、幸せでしたね。そして、今日の最後のお散歩もきっと忘れられない素敵な思い出になりますね。どうか安らかにお眠りください。
うさ君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。