かほく市大崎のミックス猫、あお君が旅立ちました。

あお君は、以前お手伝いをさせていただいたゆきちゃん、みーちゃん(みー子)と同じファミリーの一員です。全員、保護猫で、ご家族と出会う前は其々に辛い経験を胸に抱えて過ごしてまいりました。
しかしこちらの愛情深いご家族に迎えられてからは、痛みや苦しみから解き放たれ まさに安心感に包まれた毎日を送ります。ご家族の愛情を一身に受けて暮らしていくなかで3匹は幸せとは何かを知ることとなるのです。

生前のあお君は元気いっぱいの男の子。みーちゃんとはよく取っ組み合いもしました。また、お父様がお風呂に入られる時には、「あ、僕も入る!」とばかりについていく愛らしい一面もありました。一方、あお君には屋外への憧れも少しだけありました。地域猫さんが軒下に遊びにくると、「僕も行ってみたいなぁ」と外へと果敢に挑戦する姿も度々と見受けられたのだそう。
ゆきちゃん、みーちゃんが先に旅立った後も、あお君は変わらずご家族にたくさんの癒しと笑顔を届けてくれていました。ところが 肌寒くなってきた頃から体調を崩すとご飯も思うように食べられなります。
その後、日を追うも 思うように復調せず、むしろ体力は徐々に失われつつありました。それでも自分でトイレに向かうというあお君らしい頑張りを長らく見せてくれていたようです。
旅立ちの日。お母様がお仕事へ向かわれる直前、「あお君、行ってくるね。すぐ帰るから待っててね」と優しく声をかけて外出されました。用事を済ませれたお母様が急ぎ戻られるや「あお君!」と声をかけると、大きな声で「ニャー」と応えたあお君でした。しかしながらそれがお母様とあお君との最後のやり取りに。そう、その返事を最後にあお君はお母様の前でそっと息を引き取ったのです。まさにお母様のご帰宅を待っていたかのようなお旅立ちでした。“ 薄れゆく意識のなかでも、最後の瞬間も、お母様を全身で感じていたかった ” きっとあお君はこう願っていたのだろうと思います。
炉前でのお別れでは、お孫様が心を込めて書いてくれたお手紙とお花があお君の枕元に添えられました。お母様は消え入りそうな声で「あお君、もう痛くないよ。安心してね」と何度も優しく語りかけておられます。
愛する猫ちゃん達のご葬送を二度ならず、こうして三度までお手伝いさせていただいている私どもには、其々の猫ちゃん達とお母様はじめご家族様との愛に満ちた生活を都度〃お聞きしているだけにお母様の深い悲しみがより強く伝わってきているのかもしれません。どうにも胸が詰まってくるのです。

お火葬が始まりました。空へと昇るあお君、その行方を追うお母様。心模様の涙雨がここいる全員を濡らしています。
あお君。もう泣かないで。この暗い空を抜けたならきっと貴方の瞳のような青い空が待っている。もちろん ゆきちゃんとみーちゃんも君を待っているから。きっと久しぶりの再会であの子たちも喜びでいっぱいじゃないのかな。ご家族様との素敵なご縁で繋がった者同士、皆で仲良く過ごしていてね。どうか安らかに。





