お仕事日録

フレンチブルドッグ 小雪ちゃん、ママの腕の中で

1匹のワンちゃんがご家族の元にやってきたその日は初雪が降っていました。雪に因んでそのワンちゃんは「小雪」と名付けられました。あれから13年。

 

あの時のフレンチブルドッグ小雪ちゃんは今、2匹の男の子のお母さん犬です。少し肝臓を悪くはしていましたが、まだまだ元気で、息子ちゃん達にも頼りにされるお母さんです。いつも息子ちゃん達のお行儀をたしなめていた小雪ちゃんでしたが、その時は突然やってきました。いつものようにママさんとのお散歩を楽しんでいた最中のこと、小雪ちゃんは大きな息をしたかと思うと急に具合が悪くなります。そしてママさんに抱きかかえられた小雪ちゃんはそのままママの腕の中で息を引き取ってしまいました。それはもう、あっという間の出来事でした。当然、ママさんには成すすべもありません。

 

私どもには小雪ちゃんの身体の中で何が起こり そうなったかは分かりません。ただ、聞き齧ったお話をさせていただくと、フレンチブルドッグはもともと呼吸をしにくい身体の構造をしているとのこと。例えば、鼻ペチャの子は肺に血を送る通り道が狭まっていることも多く、肺にうまく血を送ることが出来ず 心臓に過度の負担がかかるケースも少なくないらしいのです。確かなことは言えませんが、小雪ちゃんの場合もその辺りが原因だったのかもしれません。

 

  

 

今日はクリスマスイブ。私どもは小雪ちゃんのご葬儀に港近くの海の見えるご自宅を訪ねました。お拭き清め、お別れ式、お火葬、お骨上げまで小雪ちゃんの大好きだったお家でとりおこなうことが出来ました。2匹の息子ちゃん達はお母さんが亡くなったことに気づいているのか、最後のお見送りでは小雪ちゃんのお顔を舐めたり、震えるようにブルブルしたり、ソワソワしていました。そんな中、小雪ちゃんは皆のいる側で、慣れ親しんだ我が家から旅立ったのです。最後まで大好きなファミリーと一緒で、小雪ちゃんも安心して逝けたのではないかと思います。

 

ご夫妻には突然のことでお心の準備も出来ずに今この時を迎えておられることと存じます。小雪ちゃんを失くした喪失感に苛まれるのはむしろこれからかと、、大変お辛いですが、どうか乗り越えてほしいです。

お雪ちゃんのご冥福、心よりお祈りいたします。