お仕事日録

シェルティー エミちゃん 雪の降る夜に

シェットランドシープドッグのエミちゃんは一家で長野から金沢に移住してきました。パパさんママさん、そして数軒離れたお宅にお住いのお兄さんご家族に囲まれ ここ金沢で晩年を過ごしてきました。

 

15歳の誕生日を過ぎて間もなくエミちゃんは倒れます。お歳なこともあってそれからは寝たきりになってしまいます。それからというもの ママさんは2時間おきにお水を飲ませ、おむつを替え、体位を変え、懸命に介護しておられました。エミちゃんは寝たきりになりながらも食欲だけはありました。夜中、床ずれが痛かったり、お水を飲みたい時にはママを呼んでお世話して貰ったりと、そんな日々が3ケ月ほど続きます。ある時、いつも夜中に必ず起きていたはずが、とうとう起きてママを呼ぶこともなくなります。そしてその3日後、エミちゃんは静かに息を引き取りました。最後は動けず床ずれに苦しんだエミちゃんでしたが、この歳まで本当によく頑張ったと思います。不思議なことにこの日はご家族の皆さん全員がお揃いでした。もしかするとエミちゃんは旅立つ日を皆さんが揃うこの日と決めていたのではないとも思えます。

 

お火葬はお拭き清めをさせていただいたご夫妻宅からお兄さん宅に移動してとり行いました。エミちゃんは元気な頃からお兄さんが大好きでした。今日もずっと一緒に付き添ってくれて、、エミちゃん、この日に決めて正解だったね。

 

お火葬を終える頃にはすっかり夜も更け、深々と降る雪に路肩の雪の量も厚みを増してきました。エミちゃんのお骨をご自宅にお届けするとご夫妻は大変喜んでくれました。またお火葬の片付けをしているとご子息がお寒い中お出ましになり 言葉をおかけくださいました。ご家族様のお気持ちに少しでも寄り添えたのだとしたら私どもも嬉しく存じます。ご用命いただき誠に有難うございました。ママさんにおかれましては緊張から解放された今、エミちゃんのいない寂しさとともに介護のお疲れが一挙に押し寄せてくることと心配しております。どうぞくれぐれもご自愛くださいますように。

 

 

 

ご夫妻のお宅にお邪魔させていただいた時に居間に飾られているワンちゃんの絵画や木彫りの作品が目に留まりました。お聞きすればパパさんの作品とのこと。英国調の雰囲気が漂う作風、とっても素敵ですね。