お仕事日録

柴犬のガイ君は姉妹兄の末っ子

柴犬のガイ君が天に召されてゆきました。ガイ君の飼い主様は3姉妹と弟君の4人姉弟です。なので、ガイ君はさしずめ5番目の末の僕ということになります。

 

この日の朝、ご依頼のお電話をいただきました。「今日、お火葬をお願いしたいのですが。。でも私はその時間にその場にいることが出来ないのです」 ご長女様からのお電話でした。その声は震えています。私どもに用件をお伝えしようと嗚咽を堪えながらも精一杯お話しされているご様子にその悲痛な思いが痛いほど伝わってまいりました。私どもはご長女様にお火葬前にお写真を残すことなどをお伝えし電話を切りましたが、受話器を降ろした後も ご長女様のおられる日をご提案すればよかったかも、でも本日のお火葬がご希望だしなぁ、等々、色々と頭の中に思案が巡っていたのです。後にご自宅にお伺いし、ご長女様は東京におられることが分かりました。緊急事態宣言下の東京からでは流石に戻ることは出来ません。この日 お立合いされたのは次女様と3女様でした。

 

 

ガイ君は口腔に腫瘍がありました。17歳と高齢のガイ君ですから おそらく体力・抵抗力が弱ってきていたところに病魔が入り込んできたのかもしれません。しかしガイ君は頑張りました。ご姉弟のお支えもあって一年近く寝たりきりになりながらも今日まで踏ん張ってきたのです。ガイ君は日本犬らしい柴でした。伏せたままの生活でしたが、そう思えないほどコロコロとしてとっても可愛い柴ちゃんです。ご姉妹は上のお姉様にお伝えするべく棺籠に眠るガイ君の穏やかな姿をスマホに収めておられました。

 

お火葬は青空の下 ご自宅で執り行いました。ご出棺の折にも「お天気で良かったですね」とお話しさせていただいたのですが、点火後、ぽつぽつと雨が降り出し、風も強くなってきました。そしてその後、土砂降りになってしまうのです。ところが不思議なことにご焼骨が終わる頃には雨、風とも収まり、ご拾骨も問題なく行えました。お二人の姉妹様にはご自宅の中であらためてお骨を上げていただいた次第です。あの雨はガイ君が皆との別れに涙していたのかもしれません。

 

東京におられるご長女様へ。ガイ君は本日、妹様達に見守られ天へと昇っていきました。そしてすぐに自分の想いを行動に移すのではないでしょうか。そう。神様から背中に羽を貰い、その羽を大きく羽ばたかせ、東京へと飛び立つのです。貴女に感謝の意を伝えるためにです。