今回はご葬送録と離れて、以前にみた映画「僕のワンダフルジャーニー」のレビューを掲載させていただきます。日本で封切りされた頃に別のブログで書いた記事です。
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娘は大の犬好きだ。「可愛いビーグルが遠くからこっちを見ているから近づいたら、私と遊びたいみたいでずっと離れようとしないの。連れて帰りたかった~」と通勤中に出会ったわんちゃんの話をよくしてくれる。その娘に誘われて「僕のワンダフルジャーニー」という映画を見てきた。
ある犬が最期の時に飼い主とした約束を何度も生まれ変わりながらいくつもの犬生をかけて叶えようと奔走するストーリーだ。映画をこれから見られる方もいらっしゃると思い詳細は伏せるが、映画の途中、我が家の先代犬、ビーグルの母娘や今 一緒に暮らしている真っ黒のミックス犬を思い出し目頭が熱くなった。
彼らは群れの中で争いが起これば全身を使って宥めようと試み、一匹でも群れを離れれば今生の別れの如く悲しみ、一匹が群れに戻ってくれば千切れんばかりに尻尾を振って喜ぶ。私たち家族の中でもそうだ。彼らは私たちを無条件に愛し、許し、私たちが喜ぶことはなんでも叶えたいと思ってくれるのだ。
娘がまだ幼い頃、私たちが叱るとよく泣いて犬小屋に閉じこもったものだ。そんな時はいつも先代犬が涙を舐めたり側に寄り添ったりしてくれたという。彼女たちは娘が社会人になってしばらくして亡くなってしまったが、きっとたまにしか群れに戻ってこなくなった娘をとても心配していたに違いない。「あの子はどこにいるの?また泣いているんじゃないかな?」と。
映画を見た後に、思った。もしかしたら娘が通勤中に出会ったあのビーグルは先代犬だったのではないか。何度でも生まれ変わって、娘の、私たち家族の幸せを、どこか遠くで そして時に近くで見守っていてくれるのではないかと。そんな優しく幸せな想像をさせてくれる温かい映画だった。
我が家の先代犬 クッキーとティファニー親子
ここだけの話、誘われた時は犬の映画ということで 見た後に寂しい気持ちになってしまうのではないかと不安だった。時折クスリと笑えるシーンや愛らしい犬たちの姿が挟まれるのでこれからご覧になる方はどうかご安心を。そして何よりこの映画、いつかまた必ず彼らに会える、そう信じさせてくれるのがとても嬉しい。