スコティッシュテリアのボビー君が旅立ちました。御年13歳、老衰でした。その2日後、大雪注意報が発令されている中、私どもはご自宅のある内灘に向かいました。昨夜から断続的に雪は降り続いています。金沢では20センチ、内灘では10センチ弱、路肩の雪も一層 嵩を増していました。
ご自宅では、お父様、お母様、小学生くらいの男の子がお二人、お爺様、お婆様、三世代のご家族が皆様、お揃いでお待ちいただいておりました。ご家族様あられては、この2日間、ボビー君とのひとときに充分お時間を割き お過ごしになられたようでした。ボビー君もどこか安心しきったお顔で私どもを迎えてくれたのです。
皆様が見守る中、広い玄関のタタキで、まずはスタッフがボビー君の体をくまなく清めさせていただきました。その後、ご家族様其々に自らお拭き清めいただきました。ボビー君の長い被毛が高貴な香りの精油で一層 艶を増し、お旅立ちを前にしてすっかり身支度は整えられました。
ー ボビー君とはもう会えない ー お拭き清めの間、ご兄弟の下の僕ちゃんはお母様の膝の上、”覆せない悲しい現実” に懸命に向き合い受け止めようとされていました。僕、頑張って! ママさん。命の尊さを知ることはお子さまが成長される過程のなかで最も大事なもの。僕ちゃんたちにとってこの経験は後に素晴らしいものに結実するものと思います。
お火葬はご自宅からすぐの路地の角を曲がった先の駐車場でとり行いました。お隣の児童公園をなめるようにして長閑な景色が望めます。まさにお火葬には最適の場所でした。おそらくここはボビー君も大好きだったはず。。お爺さまと公園をお散歩するボビー君が目に浮かんでくるようです。
お火葬が始まりました。ご家族様にはお寒い中、こちらまで足をお運びいただき、ボビー君をお見送りしていただきました。ご家族様がご自宅に戻られると先ほどまで止んでいた雪がまた降り出しました。大粒の雪が今度は止む気配すらなく とめどなく舞い降りてまいります。炉に火を入れてから30分くらいしたでしょうか。周囲が少し明るくなって雪もちらつく程度に変わってきました。あぁ、ボビー君はそろそろあちらに着いた頃かな。。そんな思いにふと、私は頭上の空を見上げます。すると どうでしょう、なんとそこには青い空が広がっているのでした。
神様がボビー君を招き入れるために厚い雲の扉を開いてくれたのでしょうか、あるいは、ボビー君が私の問いかけに答えてくれたのでしょうか。その後 また扉は閉じられました。
私は思いました。あの青空は、家族のみんなに見守られて晴れやかな気持ちで旅立てたよ!とボビー君が答えてくれたのだと。さよなら、ボビー君。心よりご冥福をお祈り申し上げます。