新盆を前に狆(チン)の小太郎くんが亡くなりました。享年13歳。心臓肥大が原因で身体もかなり弱ってきていたこの頃でした。早々と梅雨も明け異常なほど暑い日が続く今年の夏。毛皮を纏っているワンちゃん、特に老齢のワンちゃんにとっては大変厳しい暑さだったろうと思います。ご逝去に接しこころよりご冥福をお祈りいたします。
小太郎くんは飼い主さまご家族にはもちろんのこと、ご近所でもかなりの人気者でした。地域に根付いたお仕事をされている飼い主さまご夫妻は毎日、早朝より大変忙しくされていましたので、小太郎くんはお隣のお家の奥さまに大好きなお散歩に連れて行ってもらっていました。老いと病により日に日に体が弱っていく小太郎くん、最後にはお散歩中のオシッコもひとりでは出来ないほどになりました。それでもお隣の奥さまは歩けなくなった小太郎くんを抱っこしてお外に連れていってあげてくれていたようです。
実は、小太郎くんのお母さまは体を悪くし 最近まで入院されており、ついこの間 退院されたばかりだったのです。小太郎くんはお母さまがお家に戻られる時を同じくして天へと召されていったのです。が、もしかすると愛おしいお母さまのために小太郎くんはお母さまが抱えていた病気をも自ら背負って旅立っていったのではないでしょうか。
お仕事場にはお孫さんが小学生の時に妹さんと小太郎くんを描いた絵が飾られていました。小学生の作品とは思えないほどお上手ですね。絵の中の小太郎くんは幸せいっぱい。お嬢ちゃんたちといる時が一番幸せだったんだろうな、、そのようにも思える素敵な一枚でした。
お火葬を前にして小太郎くんの棺かごにはお孫さんとお隣のお家のお子さまからお手紙が手向けられました。残念ながら学校があってお孫ちゃんたちはお立合いは出来ませんでしたが、お子さま達のお気持ちはお太郎くんにしっかりと届いていると思います。この後、ご夫妻に見守られて小太郎くんは夏の空へと旅立ちました。
お火葬後、暫くして小太郎くんはお骨となって先代犬達が眠るお墓に入ります。そこには生前26キロもあった巨漢のパグル(パグとビーグルのミックス犬)ちゃんもいます。
最後にお父さまが投稿されていた小太郎くんのコラムを掲載させていただきます。大手新聞社の発刊に合わせてお父さまが発行している新聞に長らく連載された囲み記事で「小太郎見参!」とタイトルが付けられていました。初投稿より数えて143回。これが最後の記事となってしまうのですが、最終回をお読みいただいた読者の方々から小太郎くんを心配する声がお父さまの元にたくさん届けられたとのこと。
最終回の記事は以下のような小太郎くんの最後の呟きで締め括られていました。「十二年近く、俺の呟きにお付き合いいただいて感謝します。今回をもちましておさらばです。皆さんお元気で」と。どこか潔くもあるその言葉の中にお父さまの本当のお気持ちが滲み出ているのです。お父さまのお心の在りようを思うと胸の内に何とも言えない切なさが込み上げてまいります。
ご夫妻さまにはお悲しみの中にあって私どもにもお心遣いいただきましたこと この場を借りて心より感謝申し上げます。そして多くの皆に愛され慕われた小太郎くん。皆に幸せをありがとう!天国でどうか先代犬達と共にどうかゆっくりとお休みください。