キャバリアの15歳の女の子、マリッサちゃんが亡くなりました。お火葬のご依頼を賜り飼い主様のご自宅に伺いました。ご自宅では、ご主人とご主人のお母様、遊び盛りのお子様方がお待ちいただいておりました。ご依頼のお電話を下さった奥様はお仕事でご不在でした。
マリッサちゃんは、つい最近まで元気とは言えないまでも特に目立った持病もなくお歳相応、至って普通に過ごしていたようです。このお歳のワンちゃんにとっての1週間は恐らく1年くらいに相当するのかもしれません、体力が無くなり動けなくなってしまうと あれよという間に生命力を失ってしまうようなのです。ご主人のお話ではキャバリアの15歳はかなりの長寿に入るとのこと。ご家族様には急なお別れとなりましたが、天寿を全うしての旅立ちは、まさにマリッサちゃんのような旅立ちのことを言うのだと思います。ほんとうにおつかれさま。マリッサちゃん。どうか天国でゆっくりお休みください。
マリッサちゃんのお身体は既に隅々まで綺麗に清められていましたが、ご家族様には今一度、撫で清めていただきました。神様からいただいたこの体を介してマリッサちゃんがご家族様と心を通わす最後のひととき、それがこの拭き清めです。その意味においても、その瞬間、このひとときを大事にしたいとの弊社なりの思いもあって、ご家族様にはお時間の都合やご事情がお有りになる場合は別ですが、最後にひと拭きをお願いしているのです。
お火葬はお住まいより少し離れた場所でとり行いました。その場所は飼い主様の所有する敷地で、ご主人が案内してくれました。ご主人には敷地内の建物から電源を引かせていただくこともご了承いただき、その後はご返骨まで全てお任せいただきました。お火葬が始まると秋雨が降り出しました。ご焼骨を終えた後、ご集骨させていただいていると奥様がお仕事から戻ってこられました。帰路の道すがらお火葬車を認めて車を停めてお火葬の様子をご覧にお立ち寄りいただきました。ご挨拶を兼ねてお悔やみ申し上げると奥様からは労いのお言葉をいただきました。奥様には、もう暫くでご返骨できる旨をお伝えし皆様とご自宅でお待ちいただくようお願いしました。
マリッサちゃんのお骨はお歳のわりにしっかりとしていました。健康だった証なのかもしれません。全てのお骨をお骨壺に集めて私はご自宅に向かいました。長く寂しい雨が足元を濡らしています。さあ、マリッサちゃん。みんなの所に帰ろうね。