三毛猫のももちゃんが老衰で亡くなりました。大往生でありました。
ご訃報の連絡を承り、飼い主様のご自宅に伺うとご夫妻がお待ちでした。ご主人様もすでに隠居され、盆栽、鉢植え、庭いじりなどのご趣味を楽しみながらご夫妻ふたりきりで静かにお暮しのご様子でした。もしかすると隠居されてからのご夫妻にとって ももちゃんは一人娘のような存在だったのではないでしょうか。
ももちゃんは21年前、ご主人のお勤め先に捨てられていた仔猫ちゃんでした。仔猫を可哀想に思ったご主人はお勤め先の皆と一緒に会社の敷地内で仔猫の面倒を見ることにされました。引き取り手が見つかるまでとご主人は考えておられたようですが、すぐに当時の上司に見つかってしまい、仔猫は再び捨てられそうになるのでした。そうなれば、仔猫と離れたくないご主人にはもはやお家に連れて帰るしか術がありません。ご主人は考えます。事前に奥様に連れて帰る相談をすれば必ずや断られる。ならば 奥様の誕生日のプレゼントにすればいいと。こうしてももちゃんはこちらのご夫妻の娘としてお家に迎えられたのです。
お火葬はご自宅の裏の駐車場でとり行いました。見上げれば秋晴れの空。青く澄んでどこか清々しくもあります。きっとももちゃんはこの空のように明るい気持ちで旅立って行けたのかなと思います。優しいご夫妻に迎えられ 幸せな21年間を過ごしたももちゃん。ご夫妻に感謝だね。これからはこの空の向こうからどうかどうかご夫妻を見守っていてくださいね。