お仕事日録

人気者だった柴犬 ふくすけ君のご葬儀

柴犬のふくすけ君、7歳が旅立ちました。

 

朝に飼い主様からお電話をいただきその日の夕刻にご自宅にお伺いし お火葬をとり行うことになりました。飼い主様からは祭壇を設置してセレモニーをとり行いたいとのご要望がありましたので、午前中のうちに祭壇の設えにご自宅に伺うことにしました。ご自宅を訪ねるとお母様がお出ましいただいて正面玄関の横の車庫に案内していただきました。車庫といっても車庫として使われてはおらず、現在はふくすけ君のお家として使われているのです。車庫の奥にはゲージがあってふくすけ君はその前で永遠の眠りに着いていました。ふくすけ君は悪性のリンパ腫を患っていたとのことですが、痩せ細っている様子もなく、被毛にも艶があって本当に眠っているようにしか見えませんでした。

 

ふくすけ君の傍らで私は祭壇を設え始めます。その間、ご近所の方々がふくすけ君とのお別に訪ねて来られました。ふくすけ君の住まいであるその車庫は日中、開け放しの状態で、道行く人は皆さん、ふくすけ君とは顔見知りというか 旧知の間柄なのでしょう。ふくすけ君自身、とてもフレンドリーな性格で、街の皆さんにはとても懐き、愛されていたようです。祭壇の設置を終えた私は夕刻のご葬儀にまたお伺いする旨をお母様にお伝えし、一旦、会社に戻りました。

 

 

夕刻のご葬儀にはこれまた大勢の方々がふくすけ君とのお別れにやってこられました。飼い主様ご夫妻のご家族様、ご近所の方々、ふくすけ君の友達ワンコも駆けつけてくれました。大勢の方にご焼香されて旅立っていったふくすけ君。これほどまで多くの方々に見送られ旅立っていったペットちゃんはふくすけ君が初めてでした。

 

お火葬はご自宅前の屋外駐車場でとり行いました。お火葬の間にも、同じ柴犬を連れたご近所の方がお花を携えてお悔やみにこられていました。本当に人気者のワンちゃんなのですね、ふくすけ君は。勿論、ふくすけ君の人気ばかりではないと思います。飼い主様ご夫妻のお人柄もふくすけ君の人気をさらに高めているのは言うまでもありません。お火葬が終わるまでの少しの間ではありましたが、祭壇を設えて本当に良かったと思いました。

 

その後、お母様には過分なお言葉を頂戴しました。ふくすけ君に充分なことが出来たと喜んでいただけているようでした。ご夫妻にとってふくすけ君は最後と決めて飼われたワンちゃんでした。ご自宅を訪ねた時に「もうほんの少し長く生きて欲しかった」とお母様がぽつりおっしゃられた言葉が今になって思い起こされます。これからじんわりとやってくるであろう寂しさに埋もれてしまわぬよう、ご夫妻にはお気持ち、お体ともにどうか健やかにお過ごしいただきたく存じます。ふくすけ君もまたきっとご夫妻の安寧を天上より見守り続けてくれることと思います。

 

ふくすけ君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。