お仕事日録

チワワファミリーの力丸ちゃんが旅立ちました。

チワワの力丸ちゃんが天寿を全うしました。享年17歳でした。

 

力丸ちゃんは「りきまる」という名ではありますが、女の子、そう、美しい被毛を蓄えたしっかり、女の子なのであります。ジェンダーフリーな今の時代にマッチしたアバンギャルドなとってもイケてるお名前だと思います。

 

世は春休みの最中。この日は空も明るく春らしいお天気でした。力丸ちゃんのご訃報を受けてご葬送に飼い主様宅を訪ねます。飼い主様は若いご夫妻でした。お二人に促されるままにご自宅に上がらせていただくとお部屋の真ん中に白と黒のコントラストが美しいチワワちゃんが横たわっていました。こちらが力丸ちゃんです。その寝顔はそれはそれはとても安らかでありました。

 

 

天寿を全うした力丸ちゃんではありましたが、その犬生は決して平坦は道のりでもなかったようです。力丸ちゃん、9歳の時です。呼吸器系の疾患、気管虚脱になりました。気管虚脱とは気管が途中で潰れてしまい呼吸ができなくなる病気です。金沢には当時、手術できるドクターがおられず、ご夫妻はインターネットでドクターを探しました。名古屋に名医がおられることを知ったご夫妻はすぐにその病院に連絡し、力丸ちゃんを連れて名古屋に出向きました。その道中、力丸ちゃんはずっと酸素ゲージの中だったみたいです。

 

手術するのであれば全身麻酔。全身麻酔は、小さな体には体力の消耗も激しく負担が大きいのです。最初 ご夫妻は随分迷われたそうですが、最後は力丸ちゃんの生命力を信じよう、そう心に決めて手術に踏み切ったのです。その甲斐あって気管虚脱を克服し、元気を取り戻しました。

 

しかしながら力丸ちゃん、年齢を重ねるにつれて持病の関節炎が酷くなってまいりました。晩年期に入るとついには脚の関節が曲がってしまい、四本脚で歩行するのも儘ならなくなりました。その後 長らく寝たきりの日々が続きますが、ついに寄る年波には勝てず 今日 この日を迎えるのでした。ママさんの献身的は看護、介護にしっかり応えこれまで生き抜いてくれた力丸ちゃん、本当に良く頑張りました。

 

力丸ちゃんにはワンコファミリーが4頭います。全員 チワワで皆 其々に人懐っこくて可愛い子たちばかりです。その可愛さに感動すら覚える始末。そのファミリーのひとり、妹ワンコのれいこ姫はしばしば力丸君のお顔を舐めていました。「頑張って!りきちゃん」とれいこちゃんなりの励ましだったのでしょう。それが2~3日前から舐めなくなったとのこと。れいこ姫の思いが励ましから「安らかに送り出してあげたい」との 力丸ちゃんへの労わりにその日を境に変わったのかもしれません。

 

某日、力丸ちゃんはパパさん、ママさんと3人でお外に出られました。抱っこされてのお散歩でしたが、これが最後のお散歩となってしまいます。お散歩から戻った力丸ちゃんは その後、ママさんの腕の中 クーンとひと声鳴いて、頬を微かに撫でていった春風の感触その名残をそのままに息を引き取りました。

 

お火葬はご自宅の前でとり行いました。お別れの最後に力丸ちゃんの枕元にお写真が添えられました。ご夫妻がご結婚された時のものでフォーマルなお姿のお二人が式を終えて寛いでおられているような、どこかナチュラルな感じのお写真でした。お写真の中には力丸ちゃんもいます。力丸ちゃんはママさんの膝の上でしょうか、新郎新婦のお二人と一緒になってその幸せを享受しているのです。こんな素敵な思い出をお空に持っていける力丸ちゃんはなんて幸せなのでしょう。

 

力丸ちゃん!優しいパパとママに出会えてほんとうに幸せでしたね。これからはこの空の上から、パパさん ママさん、そしてワンコファミリーのみんなの事、どうか見守っていてね。

 

力丸ちゃんのご冥福、心よりお祈り申し上げます。