お仕事日録

車中、お母様の腕の中で旅立ったトイプードルの大介君

ベージュのトイプードル、大介君が旅立ちました。

 

大介君はこの16年、ほとんど病気らしい病気もせずにこれまで恙なく過ごしてきました。15歳の大台と越えた後もすこぶる健康的で元気なお爺ちゃんだったようです。

 

小型犬の16歳は人間で言うところの80歳にも相当します。流石の大介君もここに至っては寄る年波には逆らえずこれまでとは違って思うように体を動かせなくなっていました。それでも亡くなる前日まではお外に連れて行けばちゃんと自分でオシッコも出来ていたのです。お旅立ちが近いかもしれないと他県の大学に行っておられる孫娘のお嬢様も週末こちらに駆けつけられ亡くなる前日まで大介君と一緒に過ごされました。

 

亡くなるその日の朝、大介君が突如、痙攣を起こします。ご夫妻は大介君を抱えて病院へと車を走らせました。しかしその道中、残念ながら大介君はそのままお母様の腕の中で息を引き取ってしまうのです。あっという間の出来事でした。ハンドルを握るお父様、眼前で大介君を看取ることとなったお母様の胸中を思うとお慰みの言葉もみつかりません。

 

 

ご葬儀は仏間でとり行いました。セレモニーにはご夫妻のご友人もご参列くださいました。大介君はお数珠を手に棺の中で静かに経に耳を傾けています。
お火葬はご自宅の前でとり行いました。大介君、ご夫妻とは炉前でお別れです。ご夫妻の懐かしくも優しい手で撫でられた大介君はとても穏やかなお顔です。枕元にはお嬢様の持ってきてくれたお菓子も供えられました。

 

炉に火が入り、大介君は天高く夏の空へと旅立ちました。天寿を全う出来たことは本当に素晴らしいですね、大介君。これからはどうか天国からご夫妻を、ご家族様をお見守りお支えくださいね。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。