よもぎちゃんが旅立ちました。よもぎちゃんはパピヨンとポメラニアンのミックスで毛色は薄茶の斑点が美しいパピヨン、毛並みはふさふさのポメラニアンという両方の良いところを受け継いだとっても美しいワンコちゃんです。
15年前、先住犬を亡くしてとても辛い日々を送っておられたご家族様。そんな折、お母様とお嬢様がふと立ち寄ったペットショップでよもぎちゃんと出逢って心が救われたように感じます。沈みがちだったご家族様はよもぎちゃんと出逢って先住犬と初めて会った時のような笑顔と温かくて優しい日々を取り戻すことが出来たのです。
家族の一員となったよもぎちゃんはご家族様の愛に包まれて美しい成犬へと成長しました。そんなよもぎちゃんでしたが8歳の時、ある大病に罹ってしまうのです。それでもご夫妻の献身的な看病が実り、病気を乗り越えると、今までと変わらぬ元気を取り戻します。
ところが、ここにきてお父様にも大病が見つかるのです。よもぎも頑張ってあの窮地を乗り越えたのだから、とお父様はよもぎちゃんの愛らしさに触れたくて懸命に病気と闘いました。その甲斐あってお父様の病状も段々と回復へと向かいます。よもぎのお陰と胸を撫で下ろすご家族様。しかしそれも束の間でした。今度はよもぎちゃんに乳癌が見つかるのです。老齢のよもぎちゃんにとってはあまりに厳しい宣告でした。動物病院では出来うる限りの処置を施していただきましたが、とうとう力尽きてここに命の終わりを迎えることとなったのです。
お火葬は天国にも近い見晴らしの良い場所でとり行いました。ご夫妻にはお火葬の間もその場を離れずお立合いいただきました。石段に腰かけ風に揺れる草木をじっと見つめておられたご夫妻の後ろ姿が忘れられません。よもぎちゃんはお父様の大病まで自ら抱え込んで旅立っていったのでしょうか。よもぎちゃんはこれからもこの空の彼方からお二人を、ご家族様をきっときっと見守ってくれることでしょう。
ご焼骨が終わる頃には陽も傾き始めました。水平線が赤く染まる頃にはよもぎちゃんも虹の架け橋を渡り終えることでしょう。よもぎちゃん。さてこれからどうするの?まずはこちらの先代犬に会ってご家族の様子を伝えにいくかな?それとも今頃はペットショップで生き別れた姉妹に再会しているのかな ―
よもぎちゃんのご冥福をお祈りいたします。