お仕事日録

空に浮かんだメッセージ。Nちゃんのありがとう。

ご夫妻にご指定いただいた場所は海の近くのとても素敵な公園でした。愛猫ちゃんが亡くなったとのご連絡をいただき、何度かご夫妻とメールでやり取りさせていただいた後、ご葬送はこの日とこの場所にお決めいただきました。

 

台風が近づいているわりには穏やかな天候です。私たちが到着するとすでにご夫妻はお待ちでした。お悔やみを申し上げ ご挨拶させていただいた後、愛猫のNちゃんと対面させていただきました。美しい寝顔の雌の猫ちゃんです。後刻、生前のお写真も見せてもらいましたが、とても品のある立ち姿と綺麗な色の目が印象的な猫ちゃんです。

 

ご依頼内容を確信させていただいた後、ご夫妻にはNちゃんのお拭き清めをお手伝いいただきました。その後のご火葬もご夫妻はずっとお隣でお見守りくださいました。

 

ご夫妻からは、その間、生前のNちゃんのお話をいろいろ伺えました。Nちゃんは8匹姉弟の なかでも一番小さく体の弱い子だったそうで、奥様は幼いNちゃんに付ききりでミルクを与えておられたそうです。成長につれて姉弟のなかでも常にお手本になるような良い子に育ち、お母さん(奥様)に喜んでもらえることをいつもしてくれるようになりました。

 

そして身体が悪くなってからもお母さんの一生懸命さに応えようと精いっぱい生きようとしていました。しかしながら天に召される日が刻々と近づいてまいります。そしてとうとうNちゃんにはお母様の懐でシリンジで栄養を与えてもらう日々が訪れます。

 

Nちゃんは、途切れそうになる意識のなかお母様に抱かれミルクを与えられているかつての幼い自分を思い出し、病魔の苦しみのなかにももしかするとどこか安らかで幸せな気持ちを抱いていたのではないだろうか - 炉の蓋を閉じる直前の穏やかなNちゃんのお顔をみて、私にはふとそんな気がしたのです。

 

暮れゆく空を見上げると夕日が雲間に差し込んでいます。その光の中に ♡ の形をした雲がぽっかり浮んでいました。天国への階段を上るNちゃんからのご夫妻へのメッセージような気して、すぐさまスマホを取り出し画像に収めました。すぐに雲は流れてしまい、残念ながらシャッターチャンスは逃しましたが、ぼんやりと輪郭の残る ♡ をお見せするとご夫妻はとても喜んでくださいました。

 

 

そんなお優しいご夫妻から後日グーグルサイトにコミットメントをいただきました。さらにメールのほうにも嬉しいお言葉をいただきました。お辛さ今だ癒えぬ中にあって、かえって申し訳なく存じます。本当に有難うございます。

 

グーグルのご投稿だけ全文ご紹介させていただきたいと思います。メールにいただいたお言葉は私どもだけの宝として残したくここでのご紹介は控えさせていただきたいと存じます。

 

・・・・

高齢故の持病のあった愛猫を最期に見送る際にこちらに火葬依頼をいたしました。 疲弊した私の言動が辿々しいにも関わらず、とても丁寧に対応していただきました。 訳あって自宅で出来ない火葬であったので、こちらで指定した場所へお越しくださいました。 日時設定には当初予定での台風接近などの天候を考慮され、良い日取りを改めて御提案いただき、 結果とても美しい夕陽の下で執り行っていただくことが出来ました。 スタッフさん達のお言葉、お心遣いもひとつひとつが染み入るもので 粉骨までの数時間は終始心穏やかに過ごせ大変良い弔いの時間となりました。 歩けなくなっていた愛猫も明るい満足顔で空へ登っていけたと思います。 現在も闘病生活を送る弟妹高齢猫達がいずれ旅立つ時もこちらにお世話になるつもりです。