お仕事日録

ピットブル ムサシ君。大晦日のお別れ

ピットブル ムサシ君のご葬送は令和最初の年も残すところあと数時間で終わろうかという大晦日に執り行われました。ご自宅に伺うとお母様と二人のご子息様がお待ちでした。ご兄弟の傍らにはムサシ君が静かに横たわっています。お腹は水が溜まって痛々しいほど膨れ上がっていました。ですが、その腹部を除いては体つきも若々しく筋肉も隆々としているのです。年齢をお聞きするとなんとまだ4歳とのことでした。。一体、何があったのでしょうか? 余りに短命なので、一瞬、私たちは言葉を失いました。

 

ムサシ君が体調を崩して以降、お母様は幾度となく病院に連れていかれてたようですが、動物病院の先生のほうでも原因が特定できなかったとのことでした。以後、投薬の治療は施されてはおりましたが、病状の好転は見られず みるみるうちにお腹が大きくなっていきました。そして、新しい年を迎えることなく天国へと旅立ったのです。

 

 

2歳の時にこちらのご家族様に貰われてきたムサシ君ですが、お二人のご兄弟は一番下の弟のように可愛がっておられたみたいです。20キロを超える大きな体なのにとっても臆病で、お二人にとっては末っ子的可愛い存在だったのです。ムサシ君の優しい性格はここにこうして穏やかな面持ちで眠る姿に見て取れます。

 

弟さんは私たちに聞いてこられました。「帰ってくる?ムサシ、帰ってくる?僕はずっと撫でてた。ムサシ、帰ってくる?」 その横でお兄さんは終始、無言で今生の別れを惜しんでおられました。お母様は悲しみに打ちひしがれれている弟さんを案じているようにもお見受けしました。

 

お火葬はご自宅を遠くに望める高台で行いました。煙るような雨が街中を包んでいます。 - この雨はご兄弟との別れを惜しむ君の涙なのですか - 優しいご兄弟のなかで たった2年間だったけど、しあわせだったムサシ。。

 

- これからはお二人を天国から見守り続けておくれ。