ペットちゃんの種類は「猫」、お名前は「福」、性別は「男の子」、ご年齢は「4歳」、亡くなられた事由は「事故」。奥様にご記入いただいたお申込書にはこのように記されていました。年齢欄と逝去の原因に思わずはっとし 奥様にお聞きすると、福ちゃんはお家の壁に激突して倒れそのまま動かなくなってしまったとのことでした。
こんな事ってあるのでしょうか。私自身、猫ちゃんといえば、まったり ゆっくり どちらかといえばむしろ泰然としたイメージで捉えておりました。が、どうもそれは単に私の思い込みのようなのです。私なりに調べてみたのですが、若い猫ちゃんややんちゃな性格の猫ちゃんはよく走り回ってテーブルのカドに頭をぶつけたり、ベッドの下に入ろうと飛び込んでヘリに突撃したり、キャットタワーから転落することも少なくないらしいのです。それでも殆どの場合、また殆どの猫ちゃんはケロッとしているらしいのですが。。。
福ちゃんは、本当に残念な結果となってしまいました。ご家族様のお気持ちを思うと胸が締め付けられます。お嬢さんは福ちゃんを人一倍可愛がっておられたのでしょう、大粒の涙をお洋服に落としておられました。
突然のお別れほど辛いものはありません。ご家族様にはお慰みの言葉も見つからず心苦しいばかりです。ただ、もしかすると福ちゃんは命と引き換えに大事なメッセージをご家族様に伝えたかったのかもしれません。全ての出来事には意味がある、誰かが言ったそんな言葉をふと思い出しました。
最初にご自宅に上がらせていただいた時に、ソファーに横たわる福ちゃんの艶やかな被毛と均整の取れた体躯、そのあまりの綺麗さに、4歳という若さであることも、そんな事情であるとも承知せず、可愛くてとっても綺麗な猫ちゃんですね、と不用意にも口走ってしまったのです。その事が余計にご家族様を傷つけてしまったかもしれず、後になって悔やんでおります。もしそうならご家族様には心からお詫びいたします。本当にごめんなさい。
福ちゃん。どうぞご家族様をお見守りください、神様の身許からお支えください、皆さんのお心が少しづつでも癒えていきますように。