ミックス猫のリュウ君が亡くなりました。お火葬のご依頼を承った私どもは飼い主様のご自宅に向かいました。
ご自宅近くに到着すると私どもを見つけ優しく手を振ってくださる女性がいらっしゃいました。その女性はリュウ君のお母さんに間違いありませんでした。お母様はそのままご自宅の先のお火葬に適した広い場所までお火葬車を先導してくださいました。屋根付きの駐車場でお火葬は出来ない旨をお伝えしておりましたのでお母様は近くに適した場所がないか考えてくださっておられたのです。
その道すがら ご病気でしたか?おいくつでしたか?とお母様のお心の内を案じながらもいくつか質問させていただきましたが、そんな私どものお問いかけにも、私たちは大丈夫です。リュウは老衰でしたから。とお母様は明るくおっしゃられ、私どももどこか救われるような思いでした。
お火葬場所を確認した後、お火葬車をご自宅前に着けました。お父様はリュウ君を抱いて玄関でお待ちになっておられました。あらためてご夫妻にお悔やみの言葉を申し上げ、引き続き玄関ポーチでお拭き清めの儀をとり行わさせていただきました。
リュウ君は今まで病院にかかった事がないとのことでした。それくらい元気だったようです。お花いっぱいに囲まれたリュウ君はお父様、お母様に見守られる中 ご自宅を離れました。そして先ほどお母様に案内していただいた住宅街の高台に向かいます。
台風の影響でお昼から降り出した雨もすっかり止んで綺麗な夕日が西の空を赤くしています。リュウ君はご夫妻のお気持ちを胸に抱き 沈みゆく夕日を追いかけるように空へと昇っていきました。ご夫妻とも安心してお別れが出来たみたいだね。元気に過ごしてこれたからこそだね、リュウ君。どうぞ安らかにお眠りください。