9歳のスコティッシュフォールド、紫音ちゃんが旅立ちました。今年の3月、体の具合が悪くなり病院に行くと、腎臓の形が歪で石の影も見えるとお医者様に言われました。それからは1週間に2回くらいのペースで自宅から遠く離れた病院まで通いました。その甲斐あって今までの何も食べられない状態からなんとか自力で食することが出来るようにまで改善されたのです。ようやく元気になれるかなぁ。そう思っておられたご家族様でしたが。。。
やはり今年の夏はこの暑さ。紫音ちゃんの小さな体では重い病気と闘い続けるにはやはり厳しいものがあったのか、東京オリンピックを間近に控えたその日、紫音ちゃんはとうとう永い眠りに着きました。紫音ちゃん、4ケ月もの間、本当によく頑張りました。
弊社スタッフが紫音ちゃんの体を拭き清めさせていただいていると隣のお部屋からトントンと戸を叩く音が聞こえてきます。何事かと振り返ると引き戸の擦りガラスに別の猫ちゃんらしき影が映っていました。兄弟の猫ちゃんが紫音ちゃんとのお別れにやってきたようなのです。私どもが「戸を開けて良ろしいですか」とご家族様にお聞きすると、「気にしないで下さい」と奥様がおっしゃられましたので、私どもはそのままお拭き清めを続けさせていただきました。しかしながらその後もトントンと戸を叩く音は止まず、私は奥様に再度、お尋ねしたのです。今度は皆様、優しげに頷かれ 、ご了承を得た私は僅かだけ戸を開けました。すると兄弟猫ちゃんがぬっと現れ、紫音ちゃんの枕元におずおずと歩み寄っていったのです。どうしても最後にお別れがしたかったのですね。
おそらく最初、奥様には兄弟猫ちゃんを同室させる事は私どもの仕事に差し支えるのではとのお考えがお有りだったのかもしれません。しかし そんなことは全くありませんし、兄弟猫ちゃんとて家族の一員であるとの思いは奥様も同様であって その思いを優先していただいたことは本当に良かったと思います。お火葬はご自宅から少し離れた納屋の隣でご家族様お立合いの下、とり行いました。
紫音ちゃんはご家族様に見守られる中、真っ青な空へと昇ってゆきます。紫音ちゃん。これからは神様の身許でどうぞ安らかにお眠りください。
紫音ちゃんには間に合いませんでしたが、昨今、AIM ( Apptosis Inhibitor Macrophage ) の研究により多くの事が分かってきており、猫の腎臓病もそう遠くない日に克服されるとの記事を目にしました。病気で苦しむのは人も動物も一緒。AIM研究が一日も早く猫の腎臓病治療、創薬へと進展しますようお祈りするばかりです。