享年12歳。シフォンケーキのような色合いの被毛が美しいチワワの女の子、シフォンちゃんが虹の橋を渡りました。
4か月前に肝臓がんが見つかって以降 その小さな体で頑張り続けたシフォンちゃん、ママさんのお誕生日をお嬢さまとお祝いして暫くの後 自ら亡くなる日を選んで旅立ちました。ママさんのお誕生日には起き上がるのもやっとだったシフォンちゃん。その日に限りトコトコとママさんの側までやってきて「ママ。おめでとう!」言わんばかりに微笑むようなお顔を見せました。亡くなるその日は、いつも忙しい大好きなお嬢さまがお仕事から帰ってくる時を待ち、お戻りになられるとようやく安心したかのようなお顔で静かに息を引き取りました。ママさんとお嬢さまの温もりを肌で感じながら眠りに着きたい、シフォンちゃんの思いはその一心だったのかと思います。
12年前、ママさんとお嬢さまは先住犬だったチワワちゃんを5歳という若さで突然失くし、大変寂しい思いをされていました。そんなある日、なんとなく立ち寄ったペットショップでお二人をジーッと見ている仔犬に出会います。その仔犬に癒されたお二人は一度はお店を後にされますが、どうにも先ほどの仔犬が気になって仕方がありません。その後 もう一度だけとお店に戻られたお二人でした。その視線の先には、尾っぽを振りながらこちらをジーッと見つめている先ほどの仔犬がいました。目と目があった瞬間。それはシフォンちゃんが、当時10歳だったお嬢さまの「妹」として名乗りを上げた瞬間であり、お二人の心が決まった瞬間でもありました。
シフォンちゃんには他のワンちゃんにはないシフォンちゃんならではの嗜好があります。一つはお風呂が大好きなこと。もうひとつはピンク色が大好きなこと。お風呂が多少ご無沙汰気味になってきたりしようものなら、「ママ!そろそろ私をお風呂に入れてよねっ♡」と猛然とお風呂アピールを始めるらしいのです。因みに我が家の愛犬ユズはお風呂が大大嫌いワンコなので皆そうなのかと思っていましたが、シフォンちゃんみたいにお風呂好き、綺麗好きなワンちゃんもこの世にいるのですね。
ふたつ目のピンク好き。お嬢さまがご自身のために買われたピンク色の物の殆どは、「あ!コレ、ピンクだわ。これは私のものだわ」と全部、自分のものにしていたようです。だとすると、シフォンちゃんには他のワンちゃんにはない、自分の似合う色、好きな色を見分ける能力があるのかもしれません。ピンクが好きだなんてシフォンちゃんたら、ホント、、乙女ちゃんだったのですね。そういえば、私どもがあらかじめ納棺時にご用意させていただいた敷物もたまたまピンクのものを使用していたのですが、きっとシフォンちゃんがそのように仕向けていたのかもしれません。
その後、お預かりしてのお火葬、ご家族様によるお骨上げ、お骨のパウダリー加工 と続きましたが、全て滞りなく終了いたしました。一回り小さくなったお骨壺に収められたシフォンちゃんはママさんとお嬢さまの待つご自宅に戻ります。掌に乗るほどの小さなお骨壺。可愛く設えたそのカバーもまたピンク色なのでした。 乙女らしくなったね、シフォンちゃん。
ご冥福をお祈りいたします。