芝犬のれん君が旅立ちました。御年18歳でした。
れん君はお散歩が大好きで毎日、2時間、2回のお散歩は欠かしませんでした。また食べることも大好きで亡くなる前日までご飯を食べていました。獣医さんに診ていただいた時には軽度の認知症と診断されるも、ママさんが知る限りにおいては認知症として認められるような症状は全く見受けられなかったとのことでした。
柴犬の平均寿命は12歳前後ですが、れん君はご覧のように平均を軽く超えています。私どもはこのお仕事を通して多くの飼い主様から亡くなったペットちゃんのお話をお聞きしてまいりました。その経験からお話しさせていただくと、れん君のように食欲の旺盛な子はペットちゃんの種類に限らず生命力があるからか総じて長く生きてくれることが多かったように思います。
ご自宅は山の麓の住宅街です。お火葬はご自宅から坂を上がった高台の公園でとり行うことになりました。れん君はママさんとはこちらご自宅でお別れです。棺かごの中はママさんが育てられた美しい花々で飾られました。れん君の枕元に大好きだったごはんも添えられました。れん君は花の香りを楽しんでいるのか、それとも枕元のドッグフードに心奪われているのかどこかとっても嬉しそう。もしかすると、ママさん、ご家族様に愛された18年を振り返り、その楽しかった日々を思い出しているのかもしれません。
ご出棺。バッグミラーにはママさんの姿が映ります。火葬車は高台へと動き出します。ミラーの中のどんどん小さくなってくるママさんの姿。れん君もまた心の目でママの影を追っているのではないでしょうか。通りの角を曲がるとハンドルを握る私の心にれん君の気持ちがすうっと入り込んできました。
僕は何よりもママのことが大好き!ただひとつだけ、僕のいない明日からのママがとっても気がかりなんだ、と。
あぁ、そうなんだ。ママを残して心配なんだね、れん君は。ママさんを見てて君の気持ちがとてもよく分かるよ。でも、きっときっと大丈夫。ママには君との楽しかった思い出がいっぱいあるから。ママはきっと乗り越えてくれる。そう信じていようね、れん君。