白文鳥のピーちゃん、2歳の女の子が旅立ちました。
飼い主ママさまからお火葬のご依頼がありました。ママさまのお言葉からひしと伝わってまいりましたのは、ピーちゃんをしっかりと送り出してあげたいという思いでした。お火葬はどこでするのか、どれくらい時間がかかるのか、食べ物などはどの程度一緒にお火葬できるのか等々、色々とお尋ねになられました。ひとつひとつ丁寧に返答させていただきましたが、一つだけ気になる点がございました。それは棺の代わりとなる小箱を燃やせるのかという問題でした。実際、小鳥ちゃんのお骨は誠に細やかで且つ僅かな量なのでご焼骨においては細心の注意が必要なのです。硬くて燃え残る紙箱を棺の代わりにすれば紙箱が燃え尽きないままにご焼骨が終わってしまうこともございます。また空気の循環にも気を遣います。風圧によってお骨が飛び散ってしまわないとも限らないのです。私どもにはその条件を満たす棺に代わるものの持ち合わせはありません。ご遺体そのままに炉にお入れしてお火葬させていただくことがより安心かもしれないとお話しさせていただきました。しかしながらママさまの言質に少なからず残念なお気持ちがあるように思えた私は当方で棺に代用できるお品を手作りさせていただく旨、お話しさせていただきました。熱で溶ける材質を使い、縦20センチ、横15センチ、高さ8センチ程度の小箱と蓋を造り、蓋とその白い箱の周りに花の刺繍を縫い付けるのです。早速取り掛かったスタッフ。完成の品は自画自賛、とても素敵に仕上がりました。きっとご家族さまにはご満足いただけると思いました。
お火葬はご自宅近くの駐車場です。ママさまとご子息さまがお二人がお立合いのために駐車場までお越しくださいました。ピーちゃんは硬質の紙箱に収められています。この紙箱ではやはり問題があると判断させていただき、手作りの棺をご家族さまにお見せするととても可愛いとママさまは仰られて大変喜んでいただけました。私どもからご提案させていただいたものですから、ご料金も格安にご提示させていただき、ママさまも快くご承諾いただきました。白い花柄の棺に収められたピーちゃん、ピーちゃん自身も真っ白な羽毛に覆われているものですからピンクの嘴が一層映えてとっても可愛く見えるのでした。棺の周りにはお水の入った小さなコップとお薬、大好物だったみかん、トウモロコシの種、豆苗等、たくさんのお弁当が添えられました。また枕元には色とりどりのお花も供えられました。その後、ピーちゃんはご家族さまに見守られる中、夏の空へと羽ばたいていきました。
30分程度のご焼骨が終わり、ご家族さまには再度、炉前にお越しいただきました。小指の先にも満たない頭のお骨や針ほどのか細いお骨、その全てを目を凝らし集めさせていただきました。ご家族さまには後方で私どものご拾骨の様子をご覧いただきました。しっかりとお弔いされたご家族さまのお心はきっとピーちゃんにも届いていることと思います。そうだよね、ピーちゃん。
ご家族さまにはご用命いただき有難うございます。あらためましてピーちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。