お仕事日録

チワワのテク君、旅立ちました。

ロングコートの毛並みが美しい12歳のチワワ、テク君が旅立ちました。

 

 

テク君は5匹のワンちゃんファミリーの長男でした。「食欲がないなぁ、どうしたのかしら」と気にされていたママ様でしたが、ファミリーの皆と仲良く遊んでいるテク君の姿に最初は安心していたのです。しかしながらその後も食欲が戻らないテク君に不安を覚えたママ様はテク君を病院に連れて行きます。ドクターの診察の結果、胆嚢と心臓に重大な不具合が見つかるのでした。

 

その後、通院と自宅療養を続けていたテク君でした。しかしその日のテク君は様子がどこか違っていました。パパ様とママ様がお仕事から戻られると踏ん張りの糸が切れてしまったのか、いきなり鼻血を出して倒れ込んでしまいます。テク君を抱いて病院へと駆け込んだご夫妻でしたが、テク君はすでに息を引き取っていたのです。なんということでしょうか、ご家族様にはあまりに突然のお別れでありました。

 

12年前、ご夫妻には17年飼っていたワンちゃんがいました。そのワンちゃんがある雷の日にいなくなってしまうのです。悲しくて寂しくてどうしようもないご家族様は来る日も来る日も探し回っておられました。もう諦めざるを得ない。ご家族様の気持ちがその方向に傾き始めた矢先、不思議にご縁があったのがテク君でした。テク君はご家族の悲しみを背負うようにこちらのお家に入り、ファミリーの一員となった後は、ご家族様の寂しさを一日一日癒しながら日々を過ごしていたのです。当時、最愛のワンちゃんを失くしたご家族様の悲しみを肌で感じていたテク君です。あの時のようにいつまでも悲しみを引き摺るようなことだけはしてもらいたくはない、大好きな皆の心に負担をかけてはいけない、そう思っていたのでしょうか、テク君は長患いすることもなく旅立って行きました。もしかしてテク君、君の意志なのですか?

 

ご葬儀にはお嬢様ご夫妻と幼いお子様もお集まりくださいました。お拭き清めにはお孫さんが甲斐甲斐しくテク君の体を拭き清められました。その可愛さに哀しみの中にもどこか救われる思いがした次第です。ママ様もまた、「この孫娘がいるから何とか頑張れる。。」と悲しみを堪えながらもそう仰いました。

 

その後、ご家族の皆様がご焼香される中 お別れ式がとり行われました。ご納棺の前に今一度、ママ様に抱いて貰ったテク君、お嬢様との最後のスキンシップにも安心しきった表情でした。

 

ご自宅の駐車場。線路を挟んだ向こうの空に夕日が沈みます。電車が通り過ぎる度に陽は傾き、お火葬は進行していきました。お火葬が終わり、炉前へと再びお集りいただいたご家族様にはお骨をご確認いただきました。その後 私どもで全てのお骨を拾わせていただき、ご夫妻にお返しさせていただきました。この頃にはすっかり辺りは暗くなっていました。

 

 

ご自宅を後にするお火葬車。住宅街の家々から灯りが漏れています。どこかほっとさせる灯りです。その灯りのひとつひとつには其々のお家の温もりが宿っています。テク君はそのひとつに戻って行きました。テク君、懐かしいその温もりをそのままに今はゆっくりとお休みください。

 

テク君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。