美猫のもーちゃんが老衰で旅立ちました。
もーちゃんは18年間、大きな病気もせずに過ごしてきました。生まれて此の方、ほとんど病院にも行くことがなかったそうです。少々、お転婆ではありますが、みるみるうちに賢く美しく成長しました。特にパパさまはもーちゃんを目に入れても痛くないくらいに可愛がっておられたみたいです。パパさま曰く、子供たちよりも、もーちゃん!なのでした。
今日のお見送りには、パパさま、ママさま、お嬢さまご夫妻やお爺さま、ご家族皆さま総出でお立合いいただきました。それにしても もーちゃんの実年齢を考えれば、もーちゃんとお嬢さまとは歳の差はそれほどないのかもしれません。お嬢さまご夫妻にとっても、もーちゃんは兄姉妹といった関係の何物でもないようでした。
遡ること18年余。1匹の雌の猫ちゃんが迷い猫として拾われて警察署に持ち込まれました。飼い主が見つかるかもしれないということでそのまま預けられていた猫ちゃん。しかしながら飼い主からの届け出や問い合わせはなく止む無く保健所に連れて行かれることになったのです。
その前日、運命は動きます。署に出入りしていたお弁当屋さんに猫ちゃんは見初められるとそのお宅の飼い猫として飼われることになりました。それから暫くして猫ちゃんのお腹に赤ちゃんがいることが分かりました。その後、猫は無事に出産します。そして何匹かの赤ちゃんは新たな貰い手を待つことになりました。そのうちの1匹がこちらのご家族さまに迎えられたのです。ご縁とは元々繋がっている糸を互いに手繰り寄せるようなものなのかもしれません。そうです。その猫ちゃんがもーちゃんなのでした。
お火葬はご自宅の窓から見下ろせる駐車場でとり行いました。2月半ばなのに今日は少し汗ばむほどのお天気。炉前での最後のお別れに涙を堪えるパパさま、そしてご家族さま。ほぼ猫生の全てをご家族さまと過ごしたもーちゃんですからホームシックにならないかちょっと心配です。人間ならば、18で成人し遠く親元を離れて暮らすみたいな感じでしょうか。またいつでもご家族様の元に戻っておいで!そう言ったら、何がなんでも戻ってきてくれるかな。
もーちゃんのお旅立ちをご近所宅の出窓からずーっと見守っている猫ちゃんがいます。もーちゃんとは鳴き声だけのお付き合いをしている猫ちゃんだそうです。
「お骨上げ」はご自宅の1室でとり行いました。ご焼骨後、私どもが全てのお骨をトレーに集めてご自宅にお運びし、ご家族さまにはトレーからお骨壺に収めていただくのです。もーちゃんの「お骨上げ」もそうさせていただきました。お部屋の隅々まで知っている慣れ親しんだお家の中でならはもーちゃんだってきっと嬉しいはずです。だよね、もーちゃん。
ご家族さまにはご用命いただき有難うございました。もーちゃんのご冥福、心よりお祈り申し上げます。